旅立ちの時を選んでいるのではないか、というお話、印象に残りました。 P209 これまでも〝いつ死ぬかわからない〟という患者さんの事例を紹介しましたが、いつ死ぬかわからないということは、今日という日が、旅立ちの日になるかもしれないということです。…
ひとり暮らしでも在宅ケアをこれほど受けられて、お金もそれほどかからないとは、初めて知りました。 P110 2000年に介護保険制度ができたおかげで、ひとり暮らしでも最期まで家で暮らせるようになりました。・・・ ・・・ 2010年の春、園部さんの息子さんと…
たくさんの穏やかな最期が紹介されていて、こんな風に旅立つことができるんだと知ることができてよかったです。 P92 余命8か月と宣言されてから半年後の12月29日、花田さんが小笠原内科の相談外来に来ました。 「先生、私は余命2か月なんです。病院に…
読んでると飲みたくなる本でした(笑)。 P10 大阪に来てからできた知り合いに「おすすめの居酒屋を教えて!」とよく聞いていた時期がある。しかし、たいていの場合「うーん、会社の近くの適当な店しか行かへんからなぁ」といったぼんやりした答えが返ってきた…
この辺りのお話も印象に残りました。 P162 釈 ・・・少し前にこんな話を聞きました。ご自宅で仏教塾をされているある和尚さんのところへ、五〇代前半ぐらいの奥さんが相談に来た。「自分は嫁いでからずっと、病弱で入退院を繰り返す義理のお母さんを介護して…
釈徹宗さんと、様々な分野の方との対談集。 興味深い話がいろいろありました。 P9 読み返してみると、その時のお相手の声や表情や仕草が脳内再生される。時には対談終了後の雑談に興味深い話が聞けることもあった。たとえば、羽生善治さんが、軽口のように「…
ジブリの鈴木敏夫さんの本です。 たくさんの書が載っていて、字ってこんなに表情があるんだと、改めて新鮮に感じました。 P21 ―シェイクスピアは言った。人生は単なる空騒ぎ。意味など何ひとつない。 ウディ・アレンの映画『恋のロンドン狂騒曲』は、そうい…
最後の方に、「『障害とは何なのか。この本を読んで、よくわからなくなった』。そんな読者からの感想が寄せられることを期待しています。」とありました。 興味深い内容で、読んでよかったです。 Pⅵ ・・・本書の主題は障害理解ではありません。本文に入る前…
感覚代行の話、興味深かったです。 P238 私が強調したいのは、私たちが使い慣れているセンサーには特別な意味や根本的な意味はないかもしれない、ということだ。それは進化を抑制されてきた複雑な過去から、私たちが受け継いだものにすぎない。私たちはそれ…
今の時代では難しそうな実験ですが、頭でなく体でわかる、貴重な教育だなと思いました。 P223 一九六八年、公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キングが暗殺された翌日のことだった。アイオワ州の小さな町の教師ジェーン・エリオットが、クラスの生徒…
脳も、人間も、不思議だなあと・・・ P104 あなたと私が一緒にコーヒーショップにすわっているとしよう。おしゃべりをしながら、あなたは私がコーヒーをすするためにカップを持ち上げることに気づく。その行動はごく当たり前なので、私がシャツにコーヒーを…
昨日の記事の内容が、詳しく書かれていたところです。 脳が現実として出してくるものは、実際には遅れているバージョンだということなど、ほんとにこの現実知覚のシステムは面白いなぁと思います。 P71 ・・・私たちが知覚するには、脳がさまざまな感覚のデ…
外部からの情報よりも、脳からの予測モデルが先にくるとは、すごい仕組みだなと思うとともに、だから思い込むと見えないのか・・・と。 P71 目やその他の感覚器官からの情報を受け取る前に、脳は独自の現実を生み出す。(デイヴィッド・イーグルマン『あなた…
こちらはドミニク・チェンさんのお話です。 言語によって立ち上がる環世界が変わるなど、興味深かったです。 P92 まず、人間という種の間で環世界は共通といえるのでしょうか。・・・基本的な身体構造はみんなほとんど同じだとはいえ、多様な文化や言語圏に…
こちらは伊藤亜紗さんのお話です。 知覚と運動が連動しているから主体感を感じられるということ、考えたこともなかったことに驚きました。 P18 「情報環世界」という言葉を通して考えたい大きなテーマのひとつに、「フィルターバブル」の問題があります。フ…
自分のなかにいろんな年齢の自分がいる、自分を「あいだ」の存在と考える・・・この辺りも印象に残りました。 P84 特別養護老人ホーム「よりあいの森」などの所長をしている村瀬孝生の書いた『シンクロと自由』(医学書院)に、100歳の女性のこんなエピソー…
「絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ」がとても面白かった頭木弘樹さんの本、興味深く読みました。 P69 ここまで、「心」「意識」「魂」「精神」「頭」「脳」などの言葉を、あまり区別せずに使ってきた。 「これらって同じものなのかな?」と疑問に感じた人もい…
アーサー・ビナードさんのエッセイ、面白かったです。 P12 英語と日本語を、ぼくは五分五分くらいに使って生きている(ひょっとしたら日本語の割合のほうが多いか)。 ・・・ ・・・英語から、もし日本語もこうだったらなぁと思うところもある。些細なことな…
福井県立図書館の職員の方々による、覚え違いタイトル集。 かなり面白かったです(笑) P67 Q 『年だから解雇よ』みたいな本なんですが…… A 『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。』でしょうか。 世知辛すぎます。せめて…
五木寛之さんと帯津良一さんの対談集です。 印象に残ったところを書きとめておきます。 P36 五木 私はむかしから、人間がこの世に生をうけて、生きていられるということじたいが、じつに、ありえないくらい貴重なことであると痛感しています。立派な仕事をす…
「婦人公論」に掲載された瀬戸内寂聴さんのエッセイや対談から、厳選したものがまとめられた本です。 いろんな時代のものが載っていて、価値観や生活環境や文化の変遷を感じました。 P28 歳を重ねれば、なにかしら体に悪いところが出てきます。私も九十歳頃…
チューリングテストで有名なチューリングさんのエピソードがありました。 戦争中にこの行動って、ぶれない度合いがすごいです(;^_^A P109 チューリングは、自分の心に照らして明らかに真実と思えること以外は決して信じようとしない人だった。そこに「空気を…
「あなたの意識と別のだれかの意識をへだてている唯一のものは、あなたの皮膚かもしれない」、とても興味深いです。 P138 「わかる」という経験は、脳の中、あるいは肉体の内よりもはるかに広い場所で生起する。にもかかわらず、自然科学が理性をことさらに…
この研究結果、面白いなーと思いました。 P36 ここで紹介したいのは、・・・人工進化の研究の中でも少し変わったもの、イギリスのエイドリアン・トンプソンとサセックス大学の研究グループによる「進化電子工学」の研究である。通常の人工進化が、コンピュー…
読みたいなと思いつつ、先延ばしになっていた本を読みました。 味わい深かったです。 P30 数学科に入りたての頃、飲み会に参加して居酒屋の下駄箱が素数番から埋まっていくのに驚いたことがある。素数というのは、1と自分以外では割り切れない数のことで、…
読み進むうちに、なんか前に読んだような?と思ったら、10年前に読んでました(笑)。 今回印象に残ったところを書きとめておきます。 P71 西原 ・・・直木賞もらって「SPA!」の「エッジな人々」がとりあげることになったとき、自分にインタビューして、自分…
宇宙物理学の嶺重慎さんの、国によって研究環境がこんなに違うというお話も興味深かったです。 P182 私の海外修業時代の始まりはドイツでした。その後、アメリカ、イギリスの順に渡りました。三つの国は、それぞれ天文研究の分野ではトップクラスの先進国な…
アリについて何も知らなかったです・・・受精卵が必ずメスになる、母だけでオスを産むことができるとか、へぇ~でした。 こちらは生態学の市岡孝朗さん。 P46 突然ですが、「ハキリアリ」をご存じですか? 読んで字のごとく、彼らは葉を切って、その切った葉…
面白かったので、2冊目も読みました。 こちらは哲学の伊勢田哲治さん。 P111 ものを考えるとき、何らかの概念を当てはめ、二分法的に思考すること自体はとても大事です。そもそもグレーゾーンの存在がクローズアップされるのも、まず二分法的な概念を当ては…
確かに便利かもしれないけど、仕組みもわからないし、手応えもない、みたいなことは結構あります・・・キャンプなどが楽しいと感じられるのは、不便益もあるんだなと思いつつ読みました。 こちらはシステム工学が専門の川上浩司さん。 P148 さて、ここまでい…