本・マンガ

人の波に乗らない

こちらの3冊目も、藤村さんの視点っていいなと思いました。 P19 3人子供がいるんですけど、真ん中の次女の話です。上にお姉ちゃん、下に弟。上と下は仲がいいんだけど、次女は上とも下ともなんだかうまくいかない。些細なことなんだろうけど、上も下も真ん…

笑ってる場合かヒゲ2

「笑ってる場合かヒゲ」が面白かったので、続きを読みました。 P74 最近の若い人はとてもまじめだが、すぐに仕事をやめてしまう、なんてことをあちこちで聞きます。「でも若い人って昔からそうでしょう?」「いや、ほんとに長続きしないんですよ」「昔と明ら…

創造性はどこからやってくるか―天然表現の世界

「生命科学、哲学、文学から芸術理論までを自在に横断し、著者みずからも制作を実践することでみえてきた、想像もつかない世界の<外部>を召喚するための方法」とのことで、私にはだいぶ難解でしたが(;^_^A、印象に残ったところを書きとめておきます。 P14 …

優しい地獄

著者はルーマニアに生まれ、現在は人類学者として弘前に暮らしてらっしゃるそうです。 エッセイということですが、詩のようなところもあったり、不思議な読み心地でした。 日本語をこんなに自由に使えることにも驚きました。 P13 ・・・日本のシンボルといえ…

小鳥来る日

平松洋子さんのエッセイ、楽しく読みました。 P42 夏の夜明けは早いけれど、朝六時を過ぎれば気温はぐんぐん上がる。・・・週に三、四日、一時間半ほど歩くのだが、夏場は暑くなるのを見越して五時ごろ家を出るのが習慣である。 明けたばかりの夏の朝はかく…

アジア発酵紀行

発酵の話も興味深いものの、登場する人々がユニークで、むしろそちらが印象に残ったような・・・ P106 宮本さんの食品工場では、豆鼓(中国の発音ではドウスー)を製造している。大豆を蒸煮し、粒状のままカビをつけて発酵させ、塩を加えて長期熟成させる。…

沖縄の海風そよぐやさしい暮らし365日

美しい写真とともに楽しめる、タイトルの通り、沖縄の風を感じられるような一冊でした。 P15 『不便が残してくれたもの』(池田卓著、ボーダーインク刊)は、離島の中でも「最後の秘境」と呼ばれる西表島・船浮で生まれ育ち、今もここで暮らすシンガーソング…

ミッフィーからの贈り物

ディック・ブルーナさんの言葉、心地よく読みました。 P18 ぼくの朝は、比較的早くスタートします。毎朝六時には起きて、七時半ごろには、自転車に乗って家を出ます。朝食は、妻ととることもあれば、一人のときもあります。早朝のキッチンに立って、まだ眠っ…

仕事でも、仕事じゃなくても

大好きな漫画家、よしながふみさんのインタビュー集。 あぁ、そういうところが好きで読んでたのかな、と思うところが色々ありました。 P141 なんとも名前がつけられない関係性が好きなんです。さっき話していた一緒に暮らし続ける義理の親子とかもそうなんで…

自分供養

この辺りも印象に残りました。 P172 金子みすずの詩は、かわいらしく、美しいです。 明るさや希望を感じる人も多いでしょう。 しかし、一方で、どきりとする鋭い暗さも持っていると思います。 たとえば、私の好きな詩を、短いものなので、まるごとひとつ引用…

絶望読書

絶望している時でも、読める本、聴ける落語・・・この方だからこそ書ける、なかなかない本だと思いました。 P8 絶望からどうやって立ち直るのかという本はありました。 励ましてくれるような本もたくさんありました。 絶望するな、という本もありました。 で…

生産性や利益を外れて・・・

大事なことだなと思いつつ読んだところです。 P150 鹿児島市吉野町にある「しょうぶ学園」には門扉がない。・・・ 広場に至ると、右手にはツリーハウスがあり、小川が流れ、柵の中にヒツジとロバがいる。・・・ ・・・ 「彼らを見て気づいたのは、それぞれの…

それぞれのストーリー

この辺りのお話も印象に残りました。 P97 ・・・アマゾンの奥地に住む少数部族「ピダハン」のことが思い出される。・・・ピダハンの生活観の特徴が表れているところを少し挙げるとすれば、彼らには宗教がない。数の概念がない。「おはよう」も「ありがとう」…

脇道にそれる <正しさ>を手放すということ

インタビューを仕事にしている方の、このような内容の本は、初めて読んだように思います。 興味深かったです。 P27 人は、言っていることの意味ではなく、言わんとすることを理解されたいと願う。言わんとする行為そのものが、その人の存在に関わることなの…

ハラヘリ読書

本の中のたべもの、をテーマにしたコミックエッセイ。 言葉への感性が素晴らしくて、文章もかなり楽しめました。 P18 漫画では耽美的な部分ばかりを取り上げて、いかにもエレガントで気高いお嬢様かのように描いてしまいましたが、森茉莉の本当の魅力は「少…

ChatGPTは神か悪魔か

ChatGPTについて知らなすぎるので読んでみました。 P127 ChatGPTの「GPT」とは、Generative Pre-trained Transformerの略称ですが、このうちの「T」が、まさにGoogleのTransformerにあたります。その技術を駆使して、大量の文章データを事前学習したAIがGPT…

自由の丘に、小屋をつくる

川内有緒さんのエッセイも、夫のイオさんのエッセイも好きなので、楽しく読みました。 小屋を作るの、こんなに大変だとは・・・でも面白そう・・・ P171 作業の様子をしょっちゅうSNSにあげているせいか、「なんのために作っているんですか」と聞かれること…

三谷幸喜のありふれた生活⓱ 未曾有の出来事

三谷幸喜さんのエッセイ、面白かったです♪ P24 訳あって最近、世界の偉人伝を読んでいる。・・・ ・・・ エイブラハム・リンカーン。伝記シリーズの常連である。奴隷解放宣言を行ったアメリカの十六代大統領。伝記に登場する少年時代のエピソードの数々をい…

ものは言いよう

ヨシタケシンスケ図解のような本。 これまでに出版された絵本の話、「もう ぬげない」と「おしっこちょっぴりもれたろう」は出オチで・・・とか、面白かったです♪ こちらは、ちょっと真面目な?お話の部分です。 P122 「作家に必要なものはなんですか」と聞…

私のことだま漂流記

久しぶりに山田詠美さんの本を読みました。(エッセイかと思いきや、自伝小説だそうです) 「本を読むことが好き、というよりも、必要だ、と強く思った。私を色々な意味で助けてくれる」という一節があり、そうそう、そうなんです、と共感しました。 P82 ・…

千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話

語学オタクだそうですが、語学への好奇心や熱意がほんとにすごいなぁ・・・と思ったところは長くてここに引用するのが難しいのですが、印象に残ったところを書きとめておきたいと思います。 P12 ルーマニアのルの字も聞こえやしない、千葉のどっか。住んでる…

サーカスの子

著者が子どもの頃に体験した、サーカスでの生活から生まれた本。 不思議な魅力の、興味深い世界でした。 P5 あのときの風景を思い出すと、僕はいつも不思議な気持ちになる。懐かしいような、あるいは全てが夢であったような、もし人生の時間を巻き戻せるなら…

扉の向う側

ヤマザキマリさんが、これまで出会った人々の思い出やエピソード。 味わい深く読みました。 P100 私の舅のアントニオは、イタリア北西部のバッサーノ・デル・グラッパという古都の生まれで・・・今は郊外の、家族が代々農家に貸していた広大な土地に建つ古い…

超老人の壁

養老孟司さんと南伸坊さんの対談?おしゃべり?面白かったです。 P56 養老 ところで話しましたかね、ここで。物理学者のファインマンの高校時代の話。 南 高校時代?いえ。 養老 「頭の中で数を数える」っていう話です。ファインマンが高校生のとき、黙って…

寄せ場のグルメ

著者の他の本が面白かったので、こちらも読んでみよう、と思いました。 知らない世界が広がっていて興味深かったです。 P273 二〇一九年に始まった本連載「寄せ場のグルメ」が、いよいよ最終回を迎える。・・・ この連載を思いついたのは、東京最大のドヤ街…

母、野際陽子

娘から見た野際陽子さん。あったかい気持ちになったり、え~?!というエピソードに笑ったり、楽しく読みました。 P20 本人はきわめて普通に振る舞っているつもりなのになんとなくおかしい、不思議な特有の波長―つまり天性の〝陽のオーラ〟のようなものが母…

酒を食べる

え?というタイトルで思わず手にとってしまいました。 著者は現地でフィールドワークをされた訳ですが、私から見るとかなり過酷な環境で(実際現地の方に止めといた方がいいと説得される場面も)、若い女性がよく・・・とびっくりしてしまいました。 P20 デ…

ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。

息子さんに伝えたいことがまとめられた本・・・印象に残ったところを書きとめておきます。 P44 息子は歩き出し、2歳になり、自我のようなものが芽生えてきた。 僕はできる限り、息子自身にじっくり選ばせようと決めている。とはいえ、いきなり「どう、どこの…

心が震えるか、否か。

サッカーに詳しい方は、もっとここに書いてあることのすごさがわかるのだろうなと思いつつ、あまり詳しくない私でも、とても興味深く読めました。 P7 よく、「選択」をする際にいわれることとして、タイミングが重要だ、とか、より困難な道を選ぶべきだ、と…

変えたいからこそ、そのひとの色に染まる

この管理栄養士さんの姿勢、印象に残りました。 P270 国外に滞在する吉村俊亮とオンラインで会話をしたのは、まだ寒い二〇二一年二月半ばだった。・・・吉村は、サッカー元日本代表で、当時ギリシャのPAOKテッサロニキに所属していた香川真司選手、バドミン…