お腹が大事

病気に強くなる生き方のヒント (青春新書インテリジェンスシリーズ)

健康にいいこと、いろんな説があるので、どれかだけを信じることはしませんが、お腹が大事というこの話は、実感としてそうだなと思いました。

 

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石原 血液の中に免疫細胞があるといいますが、人間の免疫細胞の7割までがお腹にあるんです。だから、「Ahaha(アハハ)」と笑って、腹筋が動くと、筋肉が動いて発熱し、お腹の中が温まるでしょ。免疫細胞が集まるお腹が温まると、マクロファージがよけいに働いて免疫力が上がるんじゃないかと思うんです。

「お腹(お中)」は東洋医学では体の中心で、大切なものがあると考えます。日本語でも「腹を決める」とか、「腹を割る」とか、「腹をくくる」とか、「腹」と「精神」を結びつけた表現がたくさんある。腹に精神があるという考えですね。

 

吉川 ドイツの哲学者カールフリート・デュルクハイムが「腹」について考察した『肚ー人間の重心』という本を書いています。

 彼いわく、「肚は誰にも備わっている、より大きな生命の力と人間とを根源的に結合するという本性を備えている。・・・」生命の源が腹であるといっているんです。・・・

 

石原 「腹」を中心とする人間観・生命論は医学的観点から見ても理にかなっています。

 たとえばメラトニンという人間の1日のリズムをつくるホルモンは、脳以外にお腹の中でもできるんです。脳で不足するとうつ病の要因となると考えられているセロトニンも9割までがお腹でできて、脳でできるのは1割しかないんです。

 免疫物質やら種々のホルモンやらがお腹でできるんですから、腹巻でお腹を温める、腹筋を使って大いに笑うというのは、免疫力を上げたり気分をよくするのに大切なわけです。