実は海だった

お金の学校

 もらい過ぎは気前がよくない、やりたくないことはしない、実は一つの大きな流れ・・・大事だなと思ったところです。

 

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 八月もまた一枚、15万円で絵が売れました。

 先月の酋長です。絵が気に入って、また振り込んでくれたんです。今度は正規の値段を僕は伝えました。前回は50万円と向こうの気前の良さに圧倒されましたが、今度は正規の値段、つまり、他の人にも伝える値段を決めました。一枚の絵を描いて、いくらだったら嬉しいかってことを考えるんです。僕の絵はポストカードくらいの小さな絵です。一日に二枚は描けます。

 8万円だったらどうかな。三割は僕と付き合ってるギャラリーにあげます。ということは5万6000円です。一枚描いてそれだとあんまりテンション上がらないなあ。そんな簡単なリアクションで十分です。

 いつも自分に聞いてみてください。10万円だと7万円。うーん。一枚売れたら、10万円以上入ると嬉しいな。じゃ、額装までしてあげて、でも15万円にしたらどうかな。10万5000円です。うん、なんか嬉しい。ということで、絵の値段を一枚15万円にしました。20万円にはしませんでした。もらい過ぎの感じがあったからです。

 大事なことは、これが新しい独自の自分の経済ということです。

 だからもらい過ぎは気前がよくない作業ですし、バランスが崩れます。そこは厳密にしてください。どれくらいだと足りないのか、どれくらいだともらい過ぎなのか、自分に聞いてください。自分を治すようなつもりで自分に聞いてください。

 値段も自分で決めるんです。当然です。それが経済です。経済とは全部自分で決めるんです。あなたの共同体のルールなんですから。だから嘘ついたり騙したりするのはダメです。全部明らかにすべきです。だから僕も今、すべてを明らかにしようとしているんです。

 リトルモアから『まとまらない人』四刷目の印税が入りました。NHKあさイチで取り上げられたこともあって八〇〇〇部も刷ってくれたんです。初版分よりも多いです。しかもあさイチで取り上げてくれたディレクターは、なんといのっちの電話で昔助けた亀、いや人です。もうここにも経済が起きてますね。とにかく人は助けましょう。それが経済を生み出す鉄則です。

 お金のためにやっているわけじゃありませんが、結局はその方がお金も入ってきます。・・・

 さらに山梨のギャラリーが追加で60万円分の絵を売ってくれたとの報告がありました。もう皆さんありがたすぎます。感謝してもしきれません。そういう時はとにかくいのっちの電話をするんです。みんなが助けてくれます。僕も自分にできることを徹底的にやります。

 

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 お金の学校がはじまって一週間が経ちました。

 どうですか?楽しいですか?楽しんでくれてるといいなあと思います。楽しんでないと頭に入りません。・・・

 とにかく自分の調子がいい時に勉強してみてください。ほんと全然違うんですよ。つまり、やりたくない仕事は効率が悪いんです。単純なことです。楽しくない仕事よりも、楽しい仕事の方がうまくいきます。当然のことです。だから結局のところやりたくない仕事、つまり、楽しくない仕事はやらない方がいいいんです。

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 お金のことについて考えていくと、その他のいろんな経済に気付いていくことができます。僕がこの学校で示したいことはむしろそっちの経済についてです。

 他の流れです。それがあなたの経済になるんです。もちろんそれは経済なんですから、すぐにはお金には変わらないかもしれませんが、いずれお金の方にも流れは波及していきます。コツは、楽しくない時間を経済にしないことです。やりたくないことはしない。この学校でずっと言い続けていることですが、理由はそれではお金が稼げないだけでなく、他の経済の流れも堰き止めてしまうからです。

 

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 僕の経済は常にみんなの経済なのです。僕は経済です。みんなも経済です。僕と経済とみんなは実は一つの大きな流れなのです。海みたいなものです。どこまでも流れていきましょう。混じっても気にしないでいきましょう。心を大きく開いて、あなたが知っている一番大事なことを、一番大事な人にそっと教えてあげてください。それが経済です。そうすることで、あなたが経済になります。

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 そして、そうやって自らが経済であることに気づいた人間は植物に感謝し、それを別の人間に知らせてあげる必要があります。なぜならば、そこに発生しているものが経済、つまり、海であることに気づくからです。海に堤防作ってどうするんですか?海の中で領土を決めたりしたらどうなりますか?コンクリートで埋めてどうするんですか?生態系は丸崩れ、美味しい魚はいなくなります。・・・自分が経済であることに気づく、つまり、自分が海であることに気づく、つまり、それは周りの人がみな海ってことなんです。

 だから、僕たちは自分の経済に気づいたら、次にまずは隣の人に「おーい、ここは、我々は海だったんだぞー」って教えてあげる必要があるんです。