調べてみたら、2013年の5月11日から何日かに渡って、このブログに印象に残ったところを書き写してありました。久しぶりに読みたくなって読んでみたら、やっぱりすごい、大事なことが書いてあるなと感銘を受けました。
以前の記事と重複すると思いますが、また書きとめておきたいと思います。
この文庫の親本が出たのは40年位前ですが、全然古びない内容で、本質は変わらないものなのかなと思いました。
まえがきにはこんな風に書かれています。
P3
この本の親本が出版されて十八年が経つが、その間ロングセラーを続けていた。文庫本を上梓するにあたって再読してみた。ぼくの役割は相手から話を引き出すことだったが、今、読んでみて逆に今の世の中を予感していたり、時代を先取りしていたことがよくわかった。
当時この本は精神世界の片隅でそれなりの存在価値はあったと思う。ここでは精神の問題だけでなく肉体の問題も語られている。もちろん魂や霊の問題もだが。
ぼくがアーチストということもあって、いろんなジャンルの芸術家から創造を通した生き方をさぐろうとした。また哲学者、僧侶、医師の方たちからも意見を聞いた。
お会いした方々は現在、一人を残して全員もうこの世にはおられない。今になって一人一人の言葉を聞くとき、それは遺書の言葉となって心に響いてくる。
ここに生き方の秘訣があると思ったので、抽象的な『宇宙瞑想』という元のタイトルを『今、生きる秘訣』と改題した。
一九九八年三月 横尾忠則