エネルギーを回すという感覚、大事だなと思いました。
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私たちは滞在中、他にもたくさんの買い物をしました。
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セドナらしいカラフルな絵柄のタイル、サボテンのオブジェ、ネイティブアメリカンの砂絵、ココペリの壁掛けやマット、ココペリの置物、ココペリのキッチン用品、鉄製のココペリがついた玄関ベルもありました。
自分好みのちょっとしたモノが手元にあることは、生活を豊かにします。
私たちは本当に楽しくて、どのお店での買い物も幸せだったし、それを帰ってからどんなふうに使うか、どこに身につけていくかを飽きずに話していました。
そんな私たちを見ていたYさんが、静かにつぶやきました。
「皆さんを見ていると、お金って、使うと入ってくるんだなぁということがよくわかります……」
エネルギーの循環、出せば回ってくる……。
買い物は、モノのエネルギーを楽しむということ。
その土地に根付いているもの、その土地で育ったものを手に入れるというのは、「その土地のエネルギーを吸収する」ということにつながります。
「吉報取り」など、その方位のエネルギーを受け取ることが目的の旅では、行った先の土地のモノを買ったり、食べたり、現地で入浴したりすることで、その場のエネルギーを吸収することになる、とされています。
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インディアンの露店で買い物をしたとき、デザインはとても気に入っているのですが、商品の素材から判断して少し値下げしてもらおうかと思ったとき、母が言った「土地への恩返しよ」の言葉で、はたとエネルギー循環のことを思い出しました。この場で値下げ交渉だなんて!
お金は本来、物々交換の代わりにできたものであり、買う側と売る側は等しく同じエネルギーなんだな、と感じました。エネルギーの交流です。
そのことを感じてから、私たちは、神社に詣でたときなどもしっかりと現地にお金を落とすようになりました。お守りはもう持っているからいいわ、・・・ではなく、それを通してその土地のエネルギーをいただく、こちらのエネルギーを返す、エネルギーを回すのです。
「お金で返すのは露骨で良くない」という考え方そのものが露骨であり、お金というただの「モノ」を通してこそ、伝えられることもあるのです。
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「お金は使うと入ってくる」……Yさんの言葉は、ただ高級なモノに散財するのではなく、また「買いあさる」というイメージもなく、それぞれの小さな楽しみのために大喜びで買い物をしているみんなの姿が言わせた言葉だったと思います。