自然体

星野源雑談集1

星野源さんの雑談集も読んでみました。対談でなく雑談なところが、とてもいい味わいになってて、おもしろかったです。

こちらは鶴瓶さんとの話。

 

P16

星野 お会いした時、鶴瓶さんってテレビと一緒というか、テレビの中の鶴瓶さんって普段のまんまなんだと知って、凄くかっこいいと思ったんですよ。・・・

 ・・・

鶴瓶 ・・・俺、普通やんか。ハイテンションで喋る時もあるよ。でもたいがいこんなんやねん。そういう時におもろいこと言おうとかっていう意識よりも、例えばね、これが一番わかりやすいわ。この前、爆弾低気圧あったでしょう。俺ね、『家族に乾杯』で丸亀行ってたんよ。うどんの美味いとこ。そこ行ってたんやけど、そこから瀬戸大橋は渡れない、明石海峡でも帰れないと。で、徳島に泊まろうってことになって、ホテル急きょ取ったの。そしたら前に温泉があるゆうんで、そこ行ったんよ。人そんなに来てなかったんやけど、おっちゃんがちゅるちゅると来たんよね。で、俺の顔見て、名前はわからんけどああああ言うてはんねん。でも俺はその人がわかったんよ。その人ね、阿波踊りの有名なポスターに出る人やったんよ。(四宮)生重郎さん言うて。俺がわかって向こうがわからん言う。

星野 凄い(笑)。

鶴瓶 で、わあって喋りかけてきはるわけよ。俺がポスター出てはりますなって言うたらおっちゃん喜んで、先に俺が風呂入ったら、後からおっちゃんも入ってきて横に座らはったんよ。まだ名前わからんと俺に喋りかけてきてな。ほんなら唐突に「チータをよう知っててね」って、チータって水前寺清子さんのことね。急にチータ言われてもね、何やろ思うてたら、チータとよう寿司食いに行くねんって。そこ美味いから行こ、一緒に行こ言うんやけど、80なんぼの人に奢ってもらうの嫌やんか。でも土地の人が美味い言うんやからよっぽど美味いんやろと思うて、なんちゅう寿司屋ですか聞いたら、「つるべ……あ!」って言わはったんよ(笑)。「つるべ」ゆう寿司屋やったんよ。

星野 ははははは!凄い!

 ・・・

鶴瓶 ほんで、これ。見てみ(と言って「つるべ」の箸袋を見せる)。

星野 本当だ!(笑)。

鶴瓶 俺は昔からそうなんやけど、3時間の『ミッドナイト東海』の時から絶対嘘しないのよ。だから喋りは流暢やなくても、つっかえたりしてもええけど、ほんまのことを求めながら喋るわけ。他のお笑いの人は悪くないよ。話を盛ることが一つの笑いを作るわけやけど、俺は盛らないから普通なんや。

 ・・・

 俺ね、この間ラジオで言うたから、電話しよ思って「つるべ」に電話したんよ。そうしたら「はい、つるべです」って。

星野 ははは。

鶴瓶 そやんな、向こうもつるべなんやから。めっちゃおもろいの。「はい、つるべです」「僕も鶴瓶ですけど」って。・・・やっぱりね、より本当が面白いねん。