どちらにもメリットデメリットあると思いますが、いろいろあるんだと知っていると視野を広く持てていいなと。
この休み時間のエピソードは、とてもいいなと思いました。
P138
日本の学校では、授業間の休みは10分の学校が大多数でしょう。この間、生徒は教師に呼び出されたり、終わらなかった宿題に取り組んだりして、慌ただしい時間を過ごします。あるいは、教師から「授業中に終わらなかった演習は、休み時間や放課後を使って終わらせましょう」と、指示が出る場合もあります。
一方、教師の休み時間はというと、次の授業の準備、または質問に来た生徒への対応などが多いようです。
私も授業のあとはだいたいクラス内にとどまり、数学の質問を受け付けています・・・。
このように、日本の休み時間は「次の時間への準備時間」「整理や振り返りのための時間」といった考え方で成り立っています。
さて、ドイツの休み時間はどうでしょうか。
ドイツの休み時間は20分間あり、休み時間に対する考え方は、言葉のとおり「休むための時間」です。生徒は、年齢が異なる生徒同士で遊んだり、携帯ゲームをしたり、あるいは持参したスケボーで遊んだりと、個々人が自由に遊ぶことができます。
・・・
生徒が自由に休憩できる休み時間は、教師にとっても休憩の時間です。
職員室の扉には次のような貼り紙があります。
「PAUSE」とは、ドイツ語で「休憩」という意味です。書かれた文面を単純に和訳すると、「教師も休憩したいです。20分間ある休憩時間のうち、最後の5分は質問を受け付けます」となります。ということは……。
最初の15分は質問を受け付けない、という強い意志が表れています!
さらに貼り紙の文面はこのように続きます。
「その質問は本当に今でなければダメですか?次回の授業中ではダメですか?」
質問に来た生徒を追い返そうとしています!
ちなみに、最後の「DANKE」は「ありがとう」という意味です。
もはや何が「ありがとう」なのか、まったくわかりません(笑)。
教師にとっても休み時間は、「休むための時間」。
そのことが、とてもわかりやすく理解できる貼り紙ですね。では、このような貼り紙によって閉ざされた職員室の中は、いったいどうなっているのでしょうか。
職員室では、先生方の多くがコーヒーを飲みながら談笑してくつろいでいます。
職員室に限らず、研究室でも大学の講師室でも、とにかく休憩時間となるとコーヒーを片手に談笑するドイツ人が多いのです。そして、なかにはトランプで遊んでいる先生なんかもいたりします。
「休み時間は休むための時間」ということが、とても明確です。