死は存在しない

死は存在しない~最先端量子科学が示す新たな仮説~ (光文社新書)

 数ヵ月前に読んで、下書きしたままアップしそびれていました(;^_^A

 ずいぶん話題になっていた本です。

 

P134

 さて、以上述べてきたように、この世界の真の姿は、すべて「波動エネルギー」に他ならず、この宇宙で起こった出来事の情報とは、すべて、その「波動エネルギー」の軌跡に他ならない。

 それゆえ、この宇宙の中で起こったすべての出来事、すなわち、「波動エネルギー」のすべての軌跡が、「量子真空」の中の「ゼロ・ポイント・フィールド」に「波動情報」として記録されているという仮説は、科学的に見ても、それなりの合理性を持っていると言える。

 そして、この「量子真空」の中の「ゼロ・ポイント・フィールド」に、この宇宙のすべての出来事のすべての情報が「波動情報」として記録されるということには、科学的に見て、もう一つの合理性がある。

 それは、先ほど述べたことであるが、「ゼロ・ポイント・フィールド」という「量子的な場」においては、「エネルギーの減衰」が起こらないからである。

 すなわち、この「ゼロ・ポイント・フィールド」に「波動」として記録された情報は、決して、エネルギーの減衰に伴って消えてしまわないのである。言葉を換えれば、どれほど時間が経過しても、消えてしまわないため、「ゼロ・ポイント・フィールド」に記録された情報は、永遠に残り続けるのである。

 では、それは、何を意味しているのか。

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 例えば、米国のSF映画『コンタクト』では、俳優のジョディ・フォスターが演じる主人公、エリー・アロウェイが、子供の頃、・・・アマチュア無線を使って世界中の人々と通話を楽しむ場面が出てくるが、このアマチュア無線では、電波さえ届けば、地球の反対側から送られてくるメッセージを受信することも、地球の反対側にメッセージを送信することもできるのである。

 しかし、当然のことながら、この無線に使われるのは「電磁波」であるため、距離が遠ければ、その波動エネルギーは減衰し、時間が経てば、その波動エネルギーは消失してしまう。

 だが、もし、仮に、この電磁波の波動エネルギーが、決して減衰することが無ければ何が起こるだろうか。

 我々の目の前にある空間の中を、無数の波動エネルギーが飛び交い続けることになる。

 それは、すなわち、現在、通信している自分のメッセージと相手のメッセージだけでなく、一〇年前に発信された自分のメッセージも、五〇年前に地球の裏側から発信された誰かのメッセージも、さらには、これまで、地球上で電波として発信されたすべてのテレビ、ラジオの情報も、そのすべてが、「波動エネルギー」、すなわち「波動情報」として飛び交い続けることを意味している。

 そして、もし、我々が、それらの「波動情報」に、周波数を合わせることができるならば、瞬時に、過去から現在に至るまで発信されたすべての「波動情報」を受信できることを意味している。

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 ・・・量子真空の「ゼロ・ポイント・フィールド」が記録する情報は、「量子的波動」であるため、減衰が起こらない。それゆえ、このフィールドに記録される情報は、この宇宙の過去から現在までのすべての出来事のすべての情報であり、その情報は「ゼロ・ポイント・フィールド」が存在するかぎり、永遠に存在し続けるのである。

 そのため、もし、我々が、何らかの方法で、「ゼロ・ポイント・フィールド」に繋がることができるならば、我々も、この宇宙の過去から現在までのすべての出来事のすべての情報に触れることができるのである。

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 ・・・実は、この「ゼロ・ポイント・フィールド」に存在するのは、「過去から現在までの出来事」の情報だけでなく、「未来の出来事」の情報も存在するのである。

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 ・・・「時間は過去から未来に向かって一方的に流れていく」という感覚は、我々の日常感覚そのものでもあるため、我々は、「未来とは、まだ、存在していないもの」であることを「常識」と思っている。

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 しかし、実は、この「ゼロ・ポイント・フィールド」においては、そこに記録されている「過去から現在までの出来事」の情報を知ると、「未来の出来事」の情報も知ることができるのである。言葉を換えれば、「過去」から「現在」までのすべての出来事の「波動情報」が分かるということは、実は、その先に展開していく「未来」の出来事も、ある種の「波動情報」として予測できるのである。

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 ・・・現代物理学の世界では、「過去」「現在」「未来」というものを、どう捉えているか・・・

 ・・・現代物理学の世界では、「過去」「現在」「未来」は、「同時に」存在しているものとされている。

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 ちなみに、アインシュタインが、友人との書簡の中で、次の言葉を残していることは、良く知られている。

「我々物理学者にとっては、過去、現在、未来というものは幻想なのです。それが、どれほど確固としたもののように見えても、幻想にすぎないのです」