よかか、と始まると、うんうん、と聞きたくなります。
P128
ひとなり。母さんはなんも言わん。
勉強しろとも、我慢しろとも、人より努力しろとも、
勝てとも、命をかけろとも、死ぬ気でやれとも、
根性出せとも、言わん。そんなこと一度も言ったことなか。
ただ、自分を大事にせんね、とだけ言わせて。
無理したらいけん。
P155
ひとなり。苦しい時は余計なことは考えず、
ガンガン炒めて、ジャンジャン食え。
悲しい時は余計なことは考えず、
ワイワイ騒いで、ドンドン笑え。
死にたい時は余計なことは考えず、
チビチビ呑まずに、ガーガー眠れ。
どんな時も余計なことは考えず、バンバン生きたれ。
P195
ひとなり。
自分が犠牲になってりゃこと荒立てんで済む、
とか甘いこと抜かしたらいかん。
自分が幸せになった時にこそ周りも幸せになれったい。
よかか、頑張った人が周りを牽引します。
だけん遠慮せんでよか。我慢するな、犠牲になるな。
まずは己の幸せ目指さんか。
P198
母さんは、暴力や差別や偉そうにする人間を嫌った。
同時に、そういう人間を許すことをいとわなかった。
謝罪してきた人間はどんな事情であれ、それが本心であるならば、母さんはいつも許していた。
許すという行為が一番人間的な行為だからだ、と母さんはよく言った。
「ひとなり、いいか。どんな人間にも親がいる。どんなイジメっ子だって、母親とへその緒で繋がっていた。みんな泣いて生まれてきた。ミルクや母乳を飲んで育ってきた。ママ~、と泣いていた。だから最後は許してやりなさい。許すという行為が一番人間的な行為だからだよ。人を憎むことや恨むことは悪い感情をお前の身体の中に生み出す。そういう気持ちはお前の身体やこころを蝕む。人を呪ったりする人間には結局バチがあたる。恨み、妬み、というのは邪気だ。邪気を生んだ人間は邪気に滅ぼされる。だから、怒ってもその瞬間で終わりにしないとならない。恨みとか妬み、憎しみは人間を滅するエネルギーなんだよ。いいか、お前は正々堂々と生きなさい」
P232
ひとなり。友達が成功した時、自分のことのように
嬉しかったらその友達は親友だよ。
でも、めっちゃ悔しかったらその友達はライバルだよ。
しかし、親友も大事だがライバルも重要な存在だ。
めっちゃ悔しいけど、俺も頑張ろうと
その風に乗れる人間になりなさい。
P247
「ひとなり。よかか。人の踏み台になるな。敬意のない人間と仕事をしてはならん。お前も付き合う人たちには敬意をもって向き合え。お互い尊敬しあった時に人間は伸びるし、成功は訪れる。リスペクトのない人間関係は続かない。よかか、誰のための人生だ、と思え。それはつねに自分のための人生なんだ。自分が幸せにならなければ人を幸せにすることはでけん。誰かを幸せにしたいなら、まず自分が幸せになれ。幸せは人に伝わっていく。その結果、世界は縁に包まれるったい」