このお金の話、そうだな~と思いました。
お金の流れは、川のようなイメージがあります。
細いけど、常にきれいな水が流れている清流のような川もあれば、ガンジス川のように、清濁併せ吞むような大河もあり、大河には大河の大変さがありそうな…上流にちゃんとダムを備えた危機管理のしっかりした川もあったり…そんなイメージです。
P146
ばなな 私は、自由というものをお金持ちが持っているのを、あまり見たことがないです。
私の知っているお金持ちは、いつも何かを融通しています。土地をこっちにとか、株をこっちにとか、融通しているんです。何もしないで悠々自適の人って、いそうでいないですよ。
それに、人間関係のトラブルがあったり、とにかく大変そうだなという印象があります。本当のお金持ちを見ていると、「これはかなわんな」と思いますよ。
亜美衣 「自分にとっての自由やお金持ちとは何か」をはっきりさせる必要がありますね。それをしないと、お金があっても「こんなはずじゃなかった」と絶対になってしまう。
ばなな なるだろうし、すごいお金持ちを見ていると、本当に大変そうだとしか思えないです。山を10個持っているとか、使用人が100人いるとかいうレベルの人は、自分で雑巾がけはしていないかもしれないけど、常に何かを融通している。それは簡単なことじゃなくて、常に何かを右から左に動かしている。
今日はこれをやろう、でも失敗したとか、常にああだこうだと決定・決断の連続で、それが好きな人ならいいんですが、そうでなければ、ほどほどの、自分にとって足りる額があるのが、いちばん幸せなんじゃないかな。簡単な話。
・・・
亜美衣 自分はいわゆるお金持ちではないですけれど、以前の自分と比べて、今はやりたいことが経済的な問題で制限されないのが、とても快適なんです。
ばなな そのくらいがいちばんいいと思うんです。それを維持していくのがいいと思います。だって、前より自由になったからといって、明日は北海道、その次の日はアメリカ、その次の日はアラスカに行きますというような生き方をする人って、そんなにいないと思います。
・・・
その人に合った状態になることのほうが、お金持ちか、お金持ちじゃないかよりも大事だと思います。忙しくてお金を使えないからお金が貯まっていく人も見ますけど、そういう場合は、お金があって、その人が幸せなのかどうかもわからないですね。