バシャール登場

パラレルワールドで待ち合わせ

バシャールが治療してくれたらしいというエピソードもありました。

こちらもちょっと長くなりますが・・・

 

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「他にもうひとつあるんだ。幻覚とは思えないほどリアルで生々しい体験が。・・・」

 ・・・

 ICUで治療を受けていた頃のこと、突然の激痛が全身を襲う。あまりに苦しくて気が狂いそうだった。そのとき、こんなことを考えた。

「あーこんなとき宇宙人とかいたら治してくれるんだろうけどな。拉致ってくんないかな、UFO」

 バカみたいに思われるかもしれないが、心底真面目にそう願った。・・・するとなんと、つい今しがた病院のベッドにいたはずが、いつの間にか宇宙船の船内に変わっている。

 宇宙船の中の空間は、壁にも天井にも継ぎ目がなくのっぺりと湾曲していた。・・・

 そのだだっ広い部屋の中央にベッドが五、六台、横一列に等間隔に並べてある。・・・

 俺は仰向けになった状態で一番右端のベッドに寝かされていた。・・・

 ・・・

「それ、誰が施術してるの?あのほらあれ、頭がでかくて真っ黒な吊り目の宇宙人?」

「グレイタイプのこと?いや、俺もそれを期待したんだけど違ってた。普通に医師と看護師の格好をした人の姿だった。人間を安心させるためなのかは知らんけどね」

 ・・・

「その二人組に、さあ早く俺にも何か施してくれ!ほら早く!さあほらさあ!カモン!って目でうったえてたわけ。そしたら、その医師が両手をヌッと俺の顔のところに近づけてきたんだ。で、俺の顔に触れるか触れないかの瞬間にさ……」

 ・・・

「なんと一瞬で病院のICUに戻ってたんだ。しかも驚くべきことに、激痛で苦しんでいたのがうそみたいによくなっていたんだよ」

 ・・・

「ところがそれで終わりじゃないんだな」

 ・・・

 その日の夜、宇宙船にいた医師と看護師の格好をした二人組が俺の病室にやって来たのだ。消灯されていたから二一時前後だったと思う。・・・

 ・・・なんとなく、アフターケアに来たんじゃないかっていうのは雰囲気的に理解ができた。・・・

 二人は打ち合わせらしきものを済ませると、俺の頭の後ろにまわって何かやりはじめた。・・・視界の外だったので、何をやってるかはわからない。すると、天井が歪んでグニャグニャと動きだした。だんだん天井全体が真っ暗になっていく。その中心に、青い光に縁取られた真っ黒な三角形が浮かび上がった。

 ・・・

「でさ、その黒い三角形がくるくるまわりだすんだよ。そしてどんどん速く回転していくの。それ見てるうちに眠たくなって、気がついたら朝になってたんだよね」

 ・・・

「太一くん、わたしわかったかも……それ、もしかしたらバシャールの船に乗ったんじゃない?」

 ・・・

「わたしね、宇宙人好きの知人から聞いたことあるの。地球外にいるバシャールとコンタクトを取るときって、黒い三角形をイメージするんだって」

「まじか!それは知らなかった」

「わたしのほうがビックリしたよ」

 

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 この世界は、自分が無意識の中で信じているもので創られている。それがこの「現実」の正体。なんなら月にウサギがいると心底信じている者は、満月から放たれる「ウサギエネルギー」をちゃんと受け取ることができるのだろう。ていうか「ウサギエネルギー」ってなんだ。

 そうか、UFOに乗ったというのもそういうことなんじゃないか。あのとき俺は、心底UFOの存在を信じていた。それでUFOが存在する世界を自分で創り上げたのかもしれない。自分で創り上げたと言うべきか、その世界と繋がったと言うべきかは、俺にもまだわからないけど。

 ・・・意識が世界を創っているのなら、シナリオを書き換え、世界を移行させたのは自分の意識。そうやって意識で創り上げた世界が無数に存在するというのがパラレルワールド