よしもとばななさん

よしもとばななさんの日記が本になったものを読みました。
メモしておきたいところをいくつか書きとめておきます。

もりだくさんすぎ―yoshimotobanana.com 2010 (新潮文庫)

P99
 ・・・私はお金を取る取らないではものごとをわけていない。まず、こちらが必要以上に期待していなくて、相手がしてくれたことに対して自然に出せると思っている額と、先方がのぞんでいる額がおりあったとき、それは単なるエネルギーの交換になると思っている。その折り合いは非常に調整がむつかしく見極めもむつかしいから、いろんなもめ事が起きるのだろうと思う。
 たまに、ウィリアムやゲリーが私に言ってくれたこと、ゆいこやえりちゃんがこれまでに言ってくれたこと、私に理解できる受け皿があったとはいえ、お金ではかえられないな、と思うことがある。お金を払うことしかできなかったとしたら、自分がおかしいんだな、と。お金にたくして、もっともっと大きく気持ちを返しているような気がする。

だれもの人生の中でとても大切な1年―yoshimotobanana.com2011 (新潮文庫)

P113
 私のすごい女友達って、みんなTVを見ないし新聞も読まないし、ネットもあんまり見ない人が多い。私は全部大好きなので失格だけど、たまに情報シャットアウトは有効かも!

P124
 私はガラスの腰を持っている上に、体がとても弱い。なのにどうしてたまにむちゃくちゃなスケジュールをこなせるのかというと、やはりケアしているからそしてマイナスを数えないからだろう。マイナスを数えるくせがつくと、インフルエンザの人だけが入院している病棟に湿った服を着て入っていって深呼吸するくらいに確実に体を壊すということを、わりと多くの人が見えないからって知らないふりをしている。

P218
 ハリウッド映画に出ている人たちは、どんなにバカっぽい人でも何かを知ってる顔をしている。その理由もわかった。人はなにかが極まると光りだすのだ。光りだすと、普通の暮らしがなかなかできなくなるのだ。