ガンマ波

できない脳ほど自信過剰 トランセンデンス:Transcendence [ヘミシンク]

ヘミシンクCD「トランセンデンス」は、脳がガンマ波の状態になってとても心地よいと評判ですが、
ガンマ波について、こんなデータが載っていました。

P205
 ・・・夢を見ている最中に、ときおり「おや、いま見ている世界は夢だ」と夢を見ている自分に気づくことができる・・・このように第二の自分が出現する夢を「明晰夢」と呼びます。明晰夢では、ときに夢のストーリーを自在に操ることさえできるのです。
 明晰夢を見ているときの脳を計測すると、ガンマ波という独特な脳波が、前頭葉頭頂葉に現れることがわかります。では、このガンマ波は「第二の自分」の鍵を握っているのでしょうか。これを調べるために、眠っている人の脳をガンマ波のリズムで電流刺激するという、びっくりするような実験を行った人がいます。フランクフルト大学のフォス博士らの研究です。実験結果は今月の「ネイチャー神経科学」誌に報告されました。
 睡眠中の27人の脳を刺激して、しばらく経ってから当人を起こし、どんな夢を見ていたのかを訊いたところ、なんと7割以上の人が「夢を見ている自分を第三者の視点から感じていた」と答えました。なかには夢のストーリーをコントロールできたと答えた人もいました。見事に、ガンマ波刺激で「第二の自分」が出現したわけです。

P207
 死ぬ瞬間、脳の中はどうなっているのでしょうか。生と死の境目は、決して知ることのできない謎だと思われていました。ところが先月、ネズミが死ぬ瞬間の脳活動が記録されました。「米国科学アカデミー紀要」に掲載されたミシガン大学のボルジギン博士らの論文です。
 博士らは、ネズミの頭部に電極を取り付け、長期的に脳波を記録するという根気のいる実験を行い、7匹のネズミの死に立ち会うことができました。
 死の瞬間、驚くべき脳活動が現れました。心臓が停止してから、脳の活動が止まるまでに30秒ほどかかります。この短い間に脳の活動は三つのステージを経て変化しました。
 ステージ1は心停止から3秒間ほど。脳波のスペクトラムパワーはわずかに減弱しますが、基本的には生きている状態と似ています。おそらく血流が停止しても3秒間は脳内に蓄えられたエネルギーで生きられるのでしょう。
 続くステージ2ではアルファ波やシータ波という脳はが強く現れます。これは5秒ほど続きます。
 驚くべきは、最後のステージ3です。ガンマ波が現れ、脳活動の停止まで続きます。ガンマ波は脳全体で同期していました。この状態は、覚醒した状態、とくに意識レベルの高い脳の状態とそっくりです。
 発見はまだ続きます。このガンマ同期の脳状態を詳しく調べると、脳内活動の流れが前頭葉から後頭部の方向へ向かっていることがわかりました。いわゆるトップダウンという脳情報の動きです。トップダウンとは、外からの感覚情報がなくても、脳内から情報を呼び起こす状態です。「想像する」「思い出す」といった作業をイメージしてもらえればよいでしょう。これらは脳の内側で行われる作業です。そんなトップダウン状態の活動が死ぬ直前に現れたということです。
 しかも、ステージ3で現れるガンマ同期は強烈でした。健康な人でここまで強いトップダウン現象が生じるのは、夜に夢を見ているときや、幻覚や瞑想の状態にあるときです。
 心停止は生命にとって危険な状態ですが、すぐに心臓が再鼓動を開始すれば蘇生します。九死に一生を得た患者のなかには、生き生きとした意識体験を語る人がいます。いわゆる「臨死体験」です。
 臨死体験は、怪しいオカルト現象ではなく、世界中の多くの文化で普遍的に記述されてきた現象で、蘇生患者の20%が経験しているとも言われます。「現実よりもリアルな感覚」という彼らの証言も、鮮烈なガンマ同期という今回の実験結果とよく一致します。
 当然、蘇生せずにそのまま亡くなってしまった方も似たような脳内経験をしていることでしょう。死に逝く脳にみられる鮮烈なガンマ活動は、もしかしたら、脳からの人生最期のプレゼントなのかもしれません。