張り合う親子

横尾忠則対談集 芸術ウソつかない (ちくま文庫)

娘の美美さんとのお話。笑っちゃいました。

P176
美美 家族のなかで、私たちは霊感が強いからね。幽体離脱なんかしょっちゅう。

忠則 朝起きると、幽体離脱したって美美が報告してきたり。

美美 二階から床を抜けて、一階の玄関まで行ったとか、いろいろね。でも、パパも最初は喜んで聞いてるけど、私があんまり頻繁に幽体離脱するとくやしがって怒りだしたじゃない(笑)。

忠則 回数を追い越されるのがイヤなんだ(笑)。チクショー、こっちもやってやるって。そのほかにも同じ夢を見たりすることもわりとあった。二〇年くらい前だっけ、僕が火事の夢を見て、パッと目が覚めたら、美美が僕のベッドルームに入ってきて「パパ、今火事の夢見た?」って。そうしたら、消防車が家の前を通ってった。

美美 ああ、成城学園の校舎が火事だったときのことね。シンクロニシティというだけじゃなく、別に意識してなくても同じようなことを考えてたりすることが多くて。・・・