つづきです

ヨーガ行者の王 成瀬雅春対談集 “限界を超える”ために訊く10人の言葉

この本は「“限界を超える”ために訊く10人の言葉」と表紙にあるように、すごく深い話がたくさん載っているのですが、そういう部分は、前後の流れも含めて丸ごと読まないとわかりづらいので、短く切り取ってご紹介というのが難しく・・・
空手家の柳川昌弘さんとの対談では、幽体離脱をコントロールする、という興味深いお話もありました。そのつづきの、時間が取り払われたという話を部分的にですが、書きとめておきたいと思います。

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柳川 そう多くはないんですけど、相手と稽古している時に、相手が床に倒れているのが見えたことがあって。「錯覚でも見たのかな?」と思った瞬間、相手が突っ込んで来て無意識のうちに、いま見た通りに倒したことがありましたね。ただ自分でも何をしたか分からないから「どうした?」と聞いたら「脳天を殴られました」と言うんですね。その時は「なんだか分からないけど良いや」としていたんですけど、予知したのか、それともなにか……、できた時というのは先に分かるような気がするんですね。

成瀬 先に分かるというのは、そのときに時間が取り払われたという可能性はありますね。空間から取り払われるとどこにでも行けるように。我々の考える時間という制約が取り払われると先のことが分かることがありますね。それも瞑想能力ではありますよ。

―以前、内田樹先生との対談の際に出た「型のなかに自分を放り込むのが大事なんです」というお話を思い出しますね。「終わったところに自分を放り込むことで途中の過程を追わないことが大事なんだ」と。