皇室へのソボクなギモン

皇室へのソボクなギモン (扶桑社文庫)

ちょっとめずらしい本を読みました。
竹田恒泰さんに辛酸なめ子さんが色々質問するという対談本です。
知らなかったことがたくさんありました。

こちらは大変なお役目だなと思ったところ…
P132
竹田 ・・・天皇は三百六十五日、毎日お正月状態であることが義務づけられているようなものなのですね。つまり天皇に、もし不吉なものがかかると、国家全体が不吉になると考えられていたので、宮中では一年三百六十五日、お正月状態なわけです。

なめ子 具体的にはどういうことになりますか?・・・

竹田 例えば、これは幕末までの話ですが、天皇の昼ご飯は、毎日鯛だったのです。明けても暮れても鯛。

なめ子 それですと、いくら鯛といえども飽きてしまいますね。

竹田 正月になると、我々一般人は鯛を食べて「めでたい」と言っているわけですけれども、天皇はそれを一年間強制されていたのです。どちらかというと、神様に毎日鯛を献上しているような感じですね。

P174
竹田 まず宮中祭祀は、大きなものだけで年に二十三回あって、その中には天皇御自らご礼拝の上で御告文を奏上あそばす「大祭」と賞典長が祭祀を行い、天皇は礼拝のみをあそばす「小祭」があります。そして、それらの祭祀とは別に、毎月一日(元旦は除く)、十一日、二十一日に行われる「旬祭」、さらに百二十四代の歴代天皇崩御の当日、三年後、五年後、十年後、二十年後、三十年後、四十年後、五十年後、百年後、百年以降は百年刻みで行われる「式年祭」。さらには一年を通じて毎朝、侍従などが天皇に代わって行う「毎朝御代拝」があります。気が遠くなるような数ですよね。式年祭は毎年回数が異なりますが、それを除いても合計で年間四百二十三回、宮中で祭祀が行われていることになります。

こちらはありがたいなと思ったところです。
P175
竹田 それに伊勢の神宮でも、毎日朝夕に天照大御神をはじめとする神々に、神様のお食事である大御饌を天皇に代わって奉る「日別朝夕大御饌祭」という祭祀が行われているのですが、こちらはおよそ千五百年間、一日も欠かすことなく続けられているのですよ。
 お米ができますように、嵐が来ませんように、みんなが幸せに健やかに過ごせますようにという、国民ひとりひとりの幸せを千五百年もの間祈り続けているわけです。・・・
 ・・・神道で一番重要なのは、毎朝毎夕の神様にお食事を奉るという一番小さい祭祀なのです。