風邪の効用

またたび読書録

 体ってよくできてるなーと思いながら読んだところです。

 

P209

「風邪の効用」は風邪自体が治癒行為であるという考え方の本である。

「その人のいつも使い過ぎている場処、これを偏り疲労部分と言いますが、そういう使い過ぎというのは偏り運動ですから、偏り運動のいつも行われている処は偏り疲労が潜在してくる。自分では感じないけれども触ると硬くなって、筋肉の伸び縮みの幅が非常に狭くなっている。極く狭くなったのが年を取った状態、もっと狭くなったのはお墓に入った状態、死んでしまうともう弾力がなくなってしまう」

「人間の体中、或いは心も含めての人間全体の弾力性というものを失わないように生活すれば、突然倒れるとかいうようなことはない訳ですが、もし硬張ったとしても風邪を引くと治ってしまう」

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「頭を使い過ぎて頭が疲れても風邪を引く。消化器に余分な負担をかけた後でも風邪を引く。腎臓の働きを余分にした後でも風邪を引く。とにかく体のどこかに偏り運動が行われ、働かせ過ぎた処ができると風邪を引く。だからお酒を飲み過ぎて絶えず肝臓を腫らしている人は肝臓系統の風邪を引く。普段余分に栄養物を摂って腎臓を腫らしている人は腎臓の系統の風邪を引く。しょっちゅう心配している人は神経系統の風邪を引く。そうやってそれぞれその人なりの風邪を引くと、その偏って疲れている処がまず弾力性を快復して来て、風邪を経過した後は弾力のあるピッチリした体になる」

 風邪のなかに、肝臓系統だの神経系統だのという区別があるとは思ってもみなかった。・・・

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 風呂に入って上がったとき、調子の悪いところ、疲労物質がたまっているところは赤くならない。また特に赤い部分があるというのも体によくない現象だというのには目からうろこが落ちる思いがした。また私が風邪を引くパターンの、喉から鼻に移行する風邪は、泌尿器系の風邪であることも知った。この場合、腰椎の捻れを治せば風邪が抜けるとあった。・・・これから風邪の症状が出たら、手探りで腰椎の二、三番あたりをマッサージすれば、少しは楽になるのではないかと、期待も出てくる。その他、思いこみで具合が悪くなるという例も出ている。くしゃみをすると風邪が出ていっているのに、風邪を引いたと感じる。そうなると風邪を引いてしまうというのである。

 人間の体というのは、本当によくできているなと、この本を読むと思い知らされる。・・・風邪をひいたとしても、書いてあったことを思いだし、前向きに対処しようと、明るい気持ちになってきたのである。