お礼の手紙はさらに

社員第一、顧客第二主義―サウスウエスト航空の奇跡

 マニュアルにない動きを即座にできる、これらもほんとに素晴らしいなと思いました。

 

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<私は旅行業を営んでいる者です。先日、私のふたりのお客様、シャルロッテ・クレルと、80歳になる身体の不自由な母親のリラ・ギリアンズが、フロリダのフォート・ローダーデールからダラスまでA航空で行こうと計画を立てていました。ところが、A航空は体重制限にひっかかるという理由でふたりの搭乗を拒否しました。そのうえ、航空運賃も払い戻さないどころか、他の手だてもまったくとってくれませんでした。

 私が、何とか、デルタ航空の便に2席確保するよう手配したのですが、出発まで残りわずか20分しかありませんでした。しかも運悪く出発ターミナルは別の建物なのです。その時、サウスウエスト航空の数人の社員が、A社の旅客サービス係員がクレルさんに対して、彼女と彼女の母親は絶対に乗れませんと言うのを耳にしていました。そのサウスウエスト航空の社員のひとりが、このギリアンズ夫人のために車椅子を確保してきてくれ、デルタ航空のゲートへ向かってクレルさんとともに、車椅子を押して駆けてくれたのです。

 そのうえ、他のふたりの社員が、デルタ航空の責任者に連絡をとり、これらふたりのお客様への対応と、飛行機に搭乗する際の手助けをお願いしてくれていました。・・・

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 サウスウエスト航空のみなさん、この世で本当に何が一番大切であるかということを認識したうえで、人々のやさしい付き添い人となれるような、素晴らしい道徳観念を有する社員を採用する貴社の先見の明に対して、心より感謝申しあげる次第です。―ルクレチア・シューマン

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<私は感謝祭の休みに、カンサス・シティに行く予定でした。ペットの亀も一緒に連れていくつもりで空港に行ったところ、規則により機内に動物を持ち込むことはできないと言われたのです。

 その時点では、亀を私のアパートに連れ戻すには十分な時間がないため、いったいどうしたらいいものかと頭の中は真っ白になってしまいました。

 そんな私の心中を察したのか、サウスウエスト航空の係員が、私が帰ってくるまで、自分たちが私の亀の面倒を見ておいてあげましょうと、親切に申し出てくれたのです。でも私は、私のペット亀を空港に残して出発するのは少々気がかりでした。だって、亀は旅行用の小さな箱の中に入れてあるからです。

 しかし、私にはほかに選択の余地はありませんでした。そこで、仕方なく亀を預けて発つことにしました。

 5日後に私がセントルイスに戻って来た時、空港の係員たちは喜んで私を出迎えてくれました。彼らは私の留守中、毎日2回、箱の中の水を取り替え、決まった時間に餌をやってくれていたのです。そのうえ、彼らは、私の亀が長いこと狭い箱の中に閉じ込められていたのでストレスがたまってはいないかと、心配してくれていたのです。・・・私にとっては、大変親切なサービスであったというだけでなく、本当に重要な出来事でありました―ビッキー・ミレンズ>