徹子 ザ・ベスト

徹子ザ・ベスト

 黒柳徹子さんが、これまでの歩みを語っている本を読みました。10年位前に出版されたものです。

 何か不思議と、徹子さんはずっと今の徹子さんであり続けているような感覚があるので、色々経ての今なのだなぁと、当たり前のことが印象に残りました(;^_^A

 

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 ・・・私が自分のこれまでを振り返ると、38歳~50歳ぐらいまでが、一番充実していた気がします。38歳でニューヨークに渡って、その翌年に、『13時ショー』というニュースショーで、日本で初めての女性がメインの司会者というのになって、40歳を過ぎてから、『徹子の部屋』と『ザ・ベストテン』が始まって、40代後半で『窓ぎわのトットちゃん』を出版しました。若い頃はずっと、「個性が邪魔!」なんて言われてましたけど、その頃になってようやく、私の個性が、一般的にも認められるようになったんじゃないかと思うのね。そのせいか、その頃は結構モテました(笑)。

 反対に、一番つらかったのは、25歳から30歳。30代の前半は、毎日仕事仕事で、「休まなくちゃ!」って、そんなことばかり考えていました。それで、思い切ってニューヨークに渡ると、今度はブロードウェイで仕事のない人をたくさん見ることになって、自分を必要としてくれる人がいて、仕事があるということは、なんとありがたいことなんだと気づいたのです。

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 メイクもずっと自前です。以前、イギリスに行ったときに、ちょっと洋服のモデルをするので、有名なヘアメイクアーティストのかたにやっていただいたら、私の顔じゃなくなっちゃったの。やっぱり、自分の個性は、自分が一番よくわかっているものなのね。個性を、さっさと自分で極めてしまえば、まわりの雑音に惑わされなくなるから、ラクよ。「私はこれが個性!」って決めてしまえば、もう自分がいいと思ったものを着ればいいし、メイクだって、自分が好きな顔にすればいいんだから。でも、そう開き直るためには、ある程度の経験が必要なのかもしれない。だから、20代から30代は、40代に個性を確立するための準備期間だと思えばいいんじゃないかしら。

 個性を磨こうとするときに、一番邪魔になるのが、虚栄心ね。・・・普通の女の人でも、「自分を良く見せよう」とか、「これを持っていないと悔しい」とか、そういうレベルの見栄とか虚栄心を、つい持ってしまうかもしれないでしょう?でも私は、虚栄心を持たなければ、自分のどんな些細な個性であっても、誇りを持って生きていけると思うんです。まずは、人と自分を比べないこと。ありのままの自分を、受け入れること。能力以上に良く見せようとか、そういうことを考えなくなれば、争いごとも減るだろうし、世の中もっとうまくいくのに、と思います。ただし努力は必要!