健康でいられれば

徹子ザ・ベスト

 VOCEという美容中心の雑誌に連載されてたものが本になっているので、このような見た目のお話もありました。

 徹子さんに言われると、その通りだなぁ感が増すような。

 

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 見場という点から言うと、若いときは、そりゃあ、『風と共に去りぬ』のクラーク・ゲーブルみたいな人に、憧れたりはしました。でも、歳を重ねていくうちにわかったの。ああいう、男らしく見える人に限って、実はちょっと小心者だったりするってことが。身体ががっちりとして、「頼れそう」と思う人のほうが、案外繊細だったり、弱かったりするものです。きっとクラーク・ゲーブルと一緒にいたからって、何もかも受け入れてくれるわけじゃないと思う。もちろん、何もかも受け入れてくれそうなルックスをしている人が、実際そのとおりだったということもあると思う。でも、長年、見てると、統計的に言って、見た目の印象と中身に、ギャップがある人のほうが多い気がします。

 結局、人は、つき合ってみないとわからない。若い頃は見場見場ってこだわったりするけど、人生全体から考えたら、実は、見場の悪い人のほうがトクなんじゃないかって思うことがあるの。それは、女の人にも言えることで、たとえば、会社に新入社員で入ったとして、見場がいい人はちやほやされるのに、見場があまり良くないと、ぞんざいに扱われることって、あるでしょ?でも、そういうことがあると、かえって燃えるというか、自分の道は自分で切り開こうと思えるじゃない。見場のいい人みたいに、大事にされて、その状況に甘んじてしまったらそのときはいいけど、成長はあまりしないと思うの。それに、男も女も、ある年齢になったら必ず、中身で勝負のときが来ます。そのときが、見場の良くない人のチャンスです。

 私が「お母さん」と呼んで慕っていた女優の沢村貞子先生が、生前、50年ぶりに女子大の同窓会に出かけていらしたことがあって、帰ったら、興奮しながらこう報告してくださったんです。「人間、50年も経つとすごいわね。昔きれいだった人が、みんなきれいじゃなくなってる!今きれいな人は、仕事を続けている人か、夫を亡くして前向きに生きている人のどっちかよ」って。・・・ある程度の年齢を過ぎたら、見場なんて、努力次第でどうにでもなるんです。若い頃、見場が悪くて損したと思っている人は、70歳、80歳のきれいを目指して、努力すればいい。・・・

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 最近、「百年に一度の不況を、どうしたら乗り越えられるんでしょう?」といった質問を受けることがあります。私はそんなとき、「健康で、元気でいるしかないと思います」と答えるのです。老後を考えて貯金したとしても、予定どおりにならないことってあるじゃない。だったら、お金を貯めるより、毎日明るく元気に過ごして、スクワットして、ウォーキングして、造顔マッサージもやりながら(笑)、健康を貯金するほうがいい。人は、そのときどきを精一杯生きていくしかないのです。