周りを見るということ

小休止のすすめ 運を呼び込む「人生の休み方」の極意 (SB新書)

 自分にばかりフォーカスせず、風向きを読むというのは、大事だなと・・・経営に限らず、ただ日常を過ごすだけでも、風向きや状況に意識を向けていると、色々とタイミングよく事が進む気がします。

 

 藤田さん

P160

 浮上のタイミングのようないい次期の到来は、自分で作れるものではありません。「雀鬼」と呼ばれる桜井章一さんは、「麻雀というのは、洗面器いっぱいに張り詰めた水に4人で顔を突っ込んで、最初に顔を上げたやつが負ける」といったことをおっしゃいます。

 自分のタイミングで勝負して、時機がつかめることはありません。同じく経営でも我慢が大事です。

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 大きな決断をするとき、覚悟を決めて踏み出していると思われがちです。

 しかし、実感は異なります。「成り行き」という言葉で表現するのはおかしいかもしれませんが、山場、浮上のタイミングは向こうからやってくるように感じています。

 風向きが変わり、環境が整う。そんな外的要因について変な自分の願望が入っていると時機を見誤ることになります。

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 着実に準備を進めながら自然体でいること。すると、向こうからやってくる浮上のタイミングに気づくことができます。

 

 ヒロミさん

P165

 ありのままの自分でいて、それで周りから受け止めてもらえないのであれば、仕方ない。そんな考え方もある。でも、それでは結果的に自分の世界を狭めてしまうことになるかもしれない。

 というのは、人とのつながりがチャンスを運んでくれると考えるなら、相手の興味を引きやすい自分の演出をしていくべきだと思うからだ。・・・

 小休止に入る前、僕は周囲から変わることを求められたが、受け止められなかった。結果的には、「俺は俺のキャラクターは変えられない」と、違う自分を演出することを拒否したことで、世界を狭めてしまった。

 休んでいる間、テレビに出ている人気者たちを見ながら、僕は自己演出の大切さを反省の意味もこめて強く感じた。会社員の人でも、自分の仕事ぶりはうまく説明できないのに、居酒屋で同僚の仕事ぶりを評論家並みに解説して、改善点を指摘できる人がいる。

 不思議なもので、僕らは自分自身のことはよくわからない。でも、他の人のすべきことならよくわかるのだ。