幸せなシステム

世界が驚くニッポンのお坊さん 佐々井秀嶺、インドに笑う

 「おわりに」に、こんなバングラデッシュのお話が載っていて、いいなぁと思いました。

 

P248

 ・・・この「おわりに」を書く直前に、イスラム教徒の多いバングラデッシュで旅行取材をしていたのですが、・・・

「貧しい国なのに、市民に悲壮感がないのは、祈っているから?」と質問すると、「誰かがたいてい助けてくれるから不安がない」と意外な答えが返ってきました。福祉が充実しているわけでもないのに、なぜかと聞くと、イスラム社会には、稼いだ年収から使った生活費を差し引いたお金の2.5パーセントを税金とは別に困っている人に寄付する仕組みがあるそうです。

「しなくてもバレないけど、神様との契約だからみんな守ってる。慈善団体に寄付してもいいけど、朝夕、モスクで顔を合わせていれば、失業したり困っている人に何んとなく気が付く。その人にそっとお金を渡してもいい。そうするとその人が商売を始められて、また困っている人を助けられる。ここがポイントなんだけど、あげたりもらったりしたことは、お互い速攻で忘れるきまり。アラーもそう言っている。他宗教でも他国の人でも困っていれば助けるよ」