ハイデマリー・シュヴェルマーさん

食費はただ、家賃も0円!お金なしで生きるなんてホントは簡単

 ハイデマリー・シュヴェルマーさんは、「カナダで、ある会社が突然倒産し、失業した人たちが相互扶助によって生活する仕組みを作った。皆がそれぞれの技能を生かして互いに助け合い、物々交換の形で必要なものを得るため、お金がなくても生活を営むことが可能となっている」というニュースを聞き、自分も金銭を持たない生活に挑戦してみようと思い立ち、その実験を徐々に行動に移していった方です。

 この本にはその過程が書かれていて、興味深かったです。

 こちらはまだお金を持たない生活に移る前の、瞑想についてのエピソードです。

 

P50

「内なる平和に導かれる」という言葉は、私の心に響いた。・・・1週間の瞑想コースを予約した。・・・

 2,3日経つとようやく落ち着き、周りをシャットアウトすることができるようになった。その際、私は先生が渡してくれたマントラを利用した。言葉の意味は分からなかったが、逆に、その言葉は何のイメージとも結びつけずに頭を空っぽにすることができた。そしてこの新しく学んだ、どこででも応用できる簡単なリラックス方法を、喜んで続けることにした。

 それからしばらくして何かが変わってきたことに気がついた。毎朝起きた時に、その日に見た夢が突然私の目の前に広がるようになったのだ。それまでは見た夢を思い出すことは全くなかったし、夢のことなど気にしてたこともなかった。それ以来、毎朝覚えている夢のことを書き記すことにした。それは大切なものになった。そしてわかったことは、夢が日常生活の中の不和を克服する大きな助けになる、ということだった。実際に夜、問題を抱えてベッドに入り、そのことに関する夢を見たいと願うと、翌朝にはその問題にどう対処すればよいかが分かる、というほど敏感になっていた。また、全体的に自分の神経が研ぎ澄まされてきて、その瞬間、瞬間を、大切に生きるようになったように感じていた。そして望み通りに、自分を完全にリラックスさせることができるようになった。

 瞑想テクニックは現在でも大いに私の役に立っている。

 瞑想を通じて学んだ大事なことは、自分の魂と直接向かい合う、ということだった。自分自身の〝内部にある核〟をはっきりと感じることができるのだ。それ以来、私は決断できないという困った状況に陥ることはなくなった。と言っても、人生から全ての困難が消え失せたというのではない。しかしどんなときでも直観的に何をすべきかということが分かり、生活をよりシンプルにしてくれる能力が身についたのだ。