自分を知る作業

瞑想と認知科学の教室

 ふむふむ、そうだなーと、思いつつ読んだところです。

 

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成瀬 僕らが生きてるってことは何をやっているのかというと、自分を知る作業をしているわけだから、・・・自分の限界って何なのかなとか、自分の常識っていうのはこういうふうに取っ払えば越えていけるのかなってわかれば、自分を知ってくわけじゃないですか。まだ、俺にはこういう可能性があるんだ、ここのところでもっと広くできるんだとか、いろんなことをわかっていくことが自分を知るってことなんです。宇宙を体感するのも同じ理由なんですね。多くの人は宇宙を遠いと思っているわけです。だから体感できないんです。でも、実際に自分が手に取れる範囲、目に見える範囲からスタートしていけばいいんです。そこから自分のデータと観察を使っていく。そのためには瞑想で自分を見つめて自分のデータを整理していくことが必要になってくるんです。・・・

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 ・・・瞑想すると整理能力がつくんですよ。自分の中にあった雑然としたものがキレイにならべられるんで、非常に整理されてくる。そうすると、なにか物事を見る時に偏見をもたないで済むわけですよ。偏見というのはこれだって思いこんでいることなんですよ、すでに。そういうのがまったくなくなって見ることができると物事を判断する時に誤った判断をしないで済むことができるんです。だまし絵だったりとかもそうですけど、こうだと思って見るから、そう見えてしまうわけですよ。瞑想能力がつくと、偏見をなしにして見ることができるので、正しい認識ができるようになってくるってことなんですよ。

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 ・・・だから、事前情報って全部偏見だから。それを対峙した時に全部ディレイトして見ることができれば、正しくこの人を見ることができる。情報を一切なしに見ることが実は正しく見てる状態なんですよ。

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 ・・・だから、瞑想で得られる真理でも悟りでもなんでもいいんですけど、それを得ようとした時に、皆さんがなかなか得られないのはどうしてか?というと、いま言ったように自分の中に情報がいっぱい詰まっているからですよ。情報が詰まっていると新しい情報は入らないので、最初に詰まり過ぎてる情報を外していく。するとスペースができるわけですよ。そのスペースに新しい情報を入れるんです。