時空を超えた情報を受け取る

瞑想と認知科学の教室

 時空を超えた情報を、人によって、音、光、肌感覚、いろんな表現の仕方で受け取っている、そして、自分の状態が見えるようになることが大切ということ、わかりやすく大事な話でした。

 

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―空間に意識が残ってるって感覚は成瀬先生もわかりますか?

成瀬 それはデータだから、やっぱりわかりますね。僕の場合は何度か、パドマ・サンバヴァ(蓮華生)の意識とつながっています。インドでもブータンでも、パドマ・サンバヴァが来たとされるチベット寺院に行くと、必ず、その存在とつながれるんです。例えば、ラダックのタクトクゴンパに、パドマ・サンバヴァが瞑想したという部屋があるんです。本堂から右の土間のようなところが、パドマ・サンバヴァが坐っていた場所だとわかるんですよ。だから、僕もそこに坐ってみたら、やはりはっきりと感じられたんですね。その床は当時のままの地面だから、明らかな感触があるんですよ。でも、だれもそれに気づかないで、みんなただ通り過ぎて、本堂中央の祭壇で礼拝するんです。苫米地さんの話と同じですね(苦笑)。

 

苫米地 さっき俺は黄色い気って視覚情報に変えているけど、気に色なんかあるわけないんだよ。本人の脳がそういうふうに見てるだけ。時空を超えた情報を、脳は見る能力があるんだわ。人によってはそれを音にしたり、光にしたり、肌で感じたり、いろんな表現の仕方で受け取ってると思うよ。

 

成瀬 そのとおりですね。なぜなら基本的には自分の状態を観察してるだけだから。大切なのは自分の状態が見えるようになることです。そうすれば、人のことも見えるし、ほかにもいろいろ見えるようになるんですけど、そのコツはどのくらい自分をクリアにするかっていうこと。そのためには余計な情報をとにかく一旦全部出しちゃう。そうするとデータが入るスペースがいっぱいできるんです。瞑想の第一歩はそれで、余計な情報を全部出すこと。そうすると自分にとって一番重要な情報を取り込むことができるようになるんです。

 

―そういうふうに言われるとわかるような気がします。データなんですね。ただ、昔のヒマラヤの瞑想の達人のデータとかまで入ってくるんですか?

 

成瀬 入ってくるという表現をしてもいいですし、800年前の瞑想の達人が修行したところに僕自身の意識がいって、その人が修行している様子を見て、「あ、こういうふうにやるんだ」っていうのを知識として持ってかえってくるというふうにとってもいいですよ。どっちでもいいんですよ、それは。