やめるという選択

 再開です(^^)

 

日本人は「やめる練習」がたりてない (集英社新書)

 「日本の良さ」の副作用に効くクスリのような本で、読んでよかったと思いました。

 ここはマレーシアのインターナショナル・スクールの様子。「学校」といっても、こんなに違うとは、びっくりでした。

 

P57

 ・・・長男は、日本にいたときとは打って変わって、みるみる元気になった。・・・

「お母さん、この学校はね、何もしてないのに子供を褒めるんだよ。ぼくが階段登っただけで、校長先生がクレバーボーイって褒めてくれた!僕は階段を登っただけなのに!」

 と言われた。そんな褒め方ってあるだろうか。

 そういえば、英語がわからないのに、どうやって授業に参加しているんだろう?子供に聞いてみたら、授業中、わからない単語をかたっぱしから全部質問しているという。それではまるで授業妨害ではないか。恐る恐る先生に「うちの子、わからない単語を授業中にいちいち聞いているそうなんですが…ご迷惑ではないでしょうか」と聞いてみた。するとイギリス人の先生は、

「質問するのはいいことですよ。実は他にも簡単な英単語がわからない子供がいるかもしれないでしょう。だからいいんですよ」と言う。そんなので、良いのだろうか。

 個人面談で「お子さんは、歌が大変上手ですね」と言われたこともある。「音楽の授業の話ですか?(この先生は音楽の担当ではないのに、変だな)」と聞いたら、「いえ、お子さんは授業中にいつも歌を歌っています」と言うので仰天したこともある。「それは授業妨害にはならないのですか」と慌てたら、「いいんですよ。みんなとても楽しんでいます。私も彼の歌が大好きです」と言われた。これもカルチャーショックだった。

 ・・・

 面白い人がたくさんいた。運動会で頑張った子供にお金をあげちゃう校長先生。障害物競争で困っている子供を出て行って助けちゃうお母さん。クレヨンで宿題をやってくる子……。準備していた学校行事が突然延期になったこともある。理由は「準備不足だから」。驚いたが、まわりのお母さんたちも粛々と受け入れている様子。「そうか、マレーシアという国では行事は簡単に延期になるものなのだ」と私もだんだん慣れていった。

 新興国の洗礼は続く。マレーシアに来て1年経ったころに、長男の学校にいた西洋人の先生がほぼ全員辞めてしまったことがあった。これにはさすがの私もビックリした。・・・先生が辞めるというのも驚きだったが、インターナショナル・スクールでは先生の資格自体が曖昧で、いろんな前職の人が「先生」になっていることも初めて知った。だから自分には先生が向いていない、給料が悪いといった理由ですぐに辞めてしまう。・・・