個性に合わせて

日本人は「やめる練習」がたりてない (集英社新書)

 こういう感覚で学校に行けるなんて気が楽でいいな~と思いました。学校が、塾とか習い事に近い感覚なのかも?

 

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 さて、子供たちが頻繁に転校するというのは本当だった。・・・

 複数言語が話されているマレーシアでは、子供の教育言語をどうするのかが重要だ。公立学校ですら選択肢が存在する。・・・

 娘に中国語を学ばせたいと中華学校に入れるインド人家庭や、宗教系のインターナショナル・スクールを選択するマレー人家庭もあった。韓国人にも、中華学校インターナショナル・スクール両方に通わせて、英語・中国語の両方を取得させようとする動きがある。

 英語が重要だと考える多くの親がインターナショナル・スクールに子供を転校させてしまったことは前述したが、これを聞いて、「学校の方針が気に入らないから転校する」という考えに驚いた。長男の学校にも、急に別の学校から転入生が数十人単位でやってきたことがある。その学校の方針が変わったことに父母が一斉に反発して辞めたそうだ。

 こんな感じで、インターナショナル・スクールに通う親子たちは転校に抵抗がない。毎学期ごとに新しいクラスメートが入ってきて、何人かは辞めていく。転入生が珍しくないうえに、上下関係がないので、上級生と下級生が親友になったりする。「長くいた人が偉い」という考え方がなく、転入生がいじめられる心配もなく、安心して転校できるのだろう。いじめも一部にはあるものの、「学校を辞める」という選択があれば長期化しない。

 それどころか、新しい学校ができると、父母の間では「今度できた学校、面白そうだから見に行かない?」と誘い合って見学に行ったりするのだ。

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 長男が最初に学校に入って驚いたのは、クラスメートの年齢がまちまちだったことだ。長男(当時6歳)のクラスには、5歳で早めに入学した子もいれば、8歳の子もいた。親が子供の様子を見ながら、何年生から学校をスタートするかを決める。

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 ただし進級条件はそれなりに厳しく、テストの点が悪いと、容赦なく留年となる。逆にできる子は飛び級できる。これは実に良いシステムだ。ゆっくり学習したい子、速く学習したい子、それぞれ個性を尊重できる。・・・