あんでるせん

淡々と生きる

長崎のあんでるせん。行ったのはもう10年前になりますが、すごくびっくりして楽しかった、固定観念が崩れて心地よかったのを覚えています。

 

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 長崎県にある川棚町という町のJR川棚駅の前に、「あんでるせん」という喫茶店があります。久村さんというご主人が三十年ほど前からやっているマジック喫茶です。久村さんは大学で超能力研究会を作って、超能力についていろいろ研究していた人です。喫茶店ですがマジックを見せるということで、一回に二十人ぐらいのお客さんが入って、それを一日に三回やる。自分で料理を作って出して、皿も自分で洗って、終わるとマジックショーを一時間半ぐらい行うという段取りです。とくに値段が高いわけではありません。マジックショーの代金は食べ物代金の中に含まれています。

 二十年ぐらい前は、朝から二百人ぐらいの客が並んでいました。最近は電話の予約ができるようになったので並ばなくてもよくなりました。・・・

 私が学生時代からやってきた超能力の研究というのは、一面マジックの研究でもあるのです。マジック、奇術、手品という領域でできるものはたくさんありますが、その勉強をしておかないと、それがマジックなのか超能力であるかは見抜けません。私は普通の人よりも手品とか奇術については詳しい。だからこれは奇術だ、マジックだと言えるのです。・・・久村さんが見せてくれるなかには、マジックでできるものもありますが、どう考えてもマジックにはなり得ない、マジックでは絶対無理だというのがいくつかあります。

 たとえば・・・久村さんがトランプをひと組渡し、「好きなカードを五枚並べてください」と言います。・・・お客にはどんなカードかわかっている、久村さんにはわからないーそういう状態です。久村さんはお客が並べた五枚のカードをじーっと見ながら、もうひと組のトランプを取り出し、裏返しで自分の前に五枚並べます。その上で、こんなことを言います。「今、五枚並べましたよね。今から好きなように並べ替えてもいいです」。・・・それに対して久村さんのほうのカードは一切替えません。

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「じゃ、開けますよ」と久村さんが言った瞬間、「あ、もう一回やります」などと言うお客さんがいます。久村さんが「いいですよ」と言うと、二枚目と五枚目を入れ替えたりします。

 そうしたやりとりのあとで、久村さんが開けます。その開けた五枚とお客が並べた五枚が一緒なのです。順番も同じ。すると五枚並べたお客が、「ああ、並べ替えなきゃよかった」と、決まって同じセリフを口にします。

 ・・・

 何回やっても同じです。久村さんは開けたときの絵を見ているだけで、そのとおりに並べてみせます。「じゃ、じたばたしても仕方がないわけですか」と私に聞いた人がいますが、じたばたしたからそうなったのか、じたばたしなくてもそうなったのかは神のみぞ知るなのです。

 

 私が行った10年前は1日2回ショーがありましたが、今は1日1回らしいです。

 予約は2か月前の1日に開始のようです。

 電話:0956-82-2375

あんでるせん 長崎」で検索すると、詳しく行き方など紹介してくれてるサイトもありました。