シュタイナー

著名人が語る〈知の最前線〉 第1巻 心・身体を考える (大きな活字で読みやすい本 シリーズ・いきいきトーク知識の泉)

少し前に読んだ「著名人が語る<知の最前線>1 心・身体を考える」という本に、シュタイナーの教えが書いてありました。
「男と女という性別が発生したこと、思考が始まったこと、そして死後の世界の体験が同時期に起こった」という考えがあることを、初めて知りました。

P23
 旧約聖書の「創世記」には、アダムとイヴという人類の祖が出てきますが、彼らはお互いに裸であることに気づかなかった、と書かれています。彼らの目にはオーラが衣装のように映っていて、裸の身体を見ていなかったとも解釈できます。シュタイナーは、アダムとイヴは古生代前後の話と考えていました。人間というより魚。いまでも、体の透きとおった魚がいますね。そのように、もともとの人間の身体は、目で見られなかった。物質が詰まる前は、透明な身体を持っていたというわけです。・・・
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 昔、人間がそうだったように、将来もそうなる、とシュタイナーはいいます。二十世紀に入った時点から、体はエーテル化の過程に入っている。それを促進するのは、呼吸法。呼吸をいまとは逆にする、つまり、炭素を体内に保ち、酸素を吐くことによって、体内が炭素化していく。炭素というのは石炭ですけれども、それが純化すると、ダイヤモンドになる。人体は、そうして透明化していく、と彼はいいます。

P40
 人体に関して、そもそもなぜ男と女という区別があるのかという大きな疑問がありますね。シュタイナーの考えでは、もともとはそのような区別はありませんでした。プラトンも書いている有名な話ですが、うんと遠い時代に遡ると、男女は一体であって、その後に分かれていったといわれています。
 男女が一体であった頃、人は両性を有していたので、自分一人で子供を生み出していました。
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 自分一人で子供を産むには、大変な力が必要とされます。産んだとたん、力を使い果たして死んでしまった。しかし、男と女で子供を産むようになると、この力を半分にカットすることができるので、余った半分の力を頭に回した。
 それまでは、子供を産むときにすべてのエネルギーを使い果たして、自分の魂が子供の中に移っていっていたのが、半分にカットした結果、いまでは、子供を産んでも親として生き残る。そして、年をとって死んでも、その瞬間に誰かに生まれ変わるわけではない。だれか縁のある人が孕んだ胎児の中に入っていくには、いくらか時間がかかります。ですから、それ以後、人は生まれ変わるまでのあいだ、死後の世界を経験するようになった、といわれています。男と女という性別が発生したこと、思考が始まったこと、そして死後の世界の体験が同時期に起こったんです。
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 アダムとイヴのころから、人は男女に分かれて、死後の世界の体験が始まった。つまり、輪廻しだしたんですね。シュタイナーは、こういったこともやがて終わり、次の段階に入るのではないか、と考えていました。一度始まったものは、いつかは終わる。ふたたび、男女という区別がなくなっていく、と彼はいいます。それと同時に、いまのような死もなくなって、再び死という中断なく魂が生きていく時代が訪れるだろう、と。