純情ヨーロッパ

純情ヨーロッパ 呑んで、祈って、脱いでみて 西欧&北欧編

たかのてるこさんシリーズ、続いてます。
こちらはヨーロッパ21か国を2か月で回った旅の記録。
もれなく面白かったです。
共感した「はじめに」にあった言葉から…

P1
 今思えば、私はずっと「自分が自分であること」に安心できなかったのだ。人と自分を比べてばかりいて、いつも"今の自分"のままの延長でやって来る"未来"が怖かった。
 そんな自分にオサラバすべく、学生時代、勇気を振り絞ってアジアひとり旅に出た私は、日本とはまるっきり違う"別世界"に目を見張った。見慣れない顔の人々、見知らぬ文化、未知の食べ物、その国独特の雰囲気や匂い……。
「国が200近くもあるってことは、地球はドでかいテーマパークなんだ!この世に、こんなにも楽しい"参加型の総合エンタメ"があるなんて!」
 ・・・何よりも感動したのは、ニュース等で知る世界はとてつもなく恐ろしく感じられたのに、"実際の世界"は、人々の優しさに満ちていたことだった。言葉や文化、宗教が違おうが、「みんな、同じ地球で同じ時代を生きている仲間なんだ!」と思わせてくれた・・・
 ・・・たまたまホスピスの専門家が書いた本やネット記事を読んで、頭をこん棒で殴られたような衝撃を受けた。死の間際、後悔する人はみんな、「もっと自分らしく生きればよかった」とか「もっと冒険しておけばよかった」と口にするというのだ。
 ・・・自分の人生に納得できないまま死ぬって、どうなの!?ていうか、人の心配してる場合か?このままいけば私も・・・
 ・・・自分らしく生きられず、自分を好きになれないまま死ぬなんてイヤだ。・・・
 心の底からそう思った私は、人生最大の冒険に出るつもりで、18年勤めた会社を辞め、<地球の広報・旅人・エッセイスト>として独立した。・・・
 よーし、会社員時代にはあり得なかった2ヵ月の長旅に出て、今までの「常識」や「固定観念」を捨てて、"真新しい自分"になるぞ!そう決心したのは、人からネガティブなことを言われると、イチイチ真に受けてしまう自分がいたからだ。
「フリーで食える人なんて、半分もいないからね〜」
 ・・・
 何をどう言われてもシカトすればいいのだが、人はすぐ誰かの言葉に影響され、自分自身にも"呪い"をかけてしまうモノ。「自分らしく生きるぞ!」とアクセルを踏んでも、もう一方の足でブレーキを踏んでいたら、うまくいくモノもいかなくなってしまう。「こんなこと、しちゃいけないんじゃないか」「自分には無理なんじゃないか」と思い込ませているのは、いつだって自分が自分にかけた"呪い"なのだ。
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 生きるとは、変わり続けることなんだなぁと思う今日この頃。
 この2ヵ月の旅は、あらゆる感情を解き放って、"野生のカン"を呼び覚まし、"心の筋トレ"をしているような日々でした。
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 この旅で出会ったキャラの濃ゆい人たちのおかげで、私は元上司どころか、「一生ゆるさない!」と思っていた人たちへの怒りや憎しみを全て手放すことができました。・・・