ラオスで恋に落ちた話

モンキームーンの輝く夜に (幻冬舎文庫)

たかのてるこさんの「モンキームーンの輝く夜に」。
ジプシーに出会う旅より前のもので、ラオスで理想の恋人に出会った話が中心です。
その恋人とは、結局お別れすることになったそうですが。。。
途中に出てきた辞典、新明解の一節(思わず笑っちゃいました)と、おわりに、が印象的でした。

P209
 あぁ、大好きな人のバイクに乗って夜風に吹かれるのは、なんて気持ちがいいんだろう!
 ・・・
 ビエンチャンに着いた私たちは、屋台で食事を済ませ、私の宿へと向かった。私は、愛用している『新明解国語辞典』の「恋愛」についての説明文を久しぶりに思い出していた。あまりにも的を射ていて感銘を受けたから、今でも暗記している文章だ。その人間臭さが爆発している辞書には、「恋愛」についてこう書かれていた。
《【恋愛】〜特定の異性に特別な感情をいだいて、二人だけで一緒にいたい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。》
 この10日間はまさに、この言葉通りの日々だったと思う。

P276
 この話は、小説やフィクションではなく、すべてが私の実体験です。
 正直、ハッピーエンドになるかどうかも分からない、現在進行形の恋愛について書くのは、かなり勇気がいりました。
 おかんにこの本のことを話すと、開口一番、イヤ〜なことを言ってきました。
「へぇ〜。そんなことおおっぴらにして、万一別れたら、あんた、日本の男から総スカン食らうやろうなぁ。で、どこまで詳しく書いてあんのや?」
「どこまでもクソも、何から何まで、全部や全部」
「いやっ、なんかもう、聞いてるだけで吐きそうになってくるわ〜」
 自分でも「まったくよくやるよ」と思うけど、今後も失敗を恐れることなく、自分の心に正直に生きるだけです。なんというか、自分という人間のやることなすことに、一生つき合うのは自分ひとりなので、しょうがない、とことんつき合ってやるか、ってな感じです。
 どんな結末を迎えることになろうと、赤っ恥をかくことになろうと、それが原因で死ぬことはないと思うと、勇気がもりもり湧いてきます。夢もハジもおっきくいきたいもんです。