この面接で、女性が泣き出したという話、わかるなぁと思いました。
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最初に採用するとき、面談して、週何回出社して、何時から何時まで働くか、本人の希望を聞いて決める。
一方的に、会社の都合で、条件を出したりしない。家庭の事情や子育ての状況に応じて、本人の希望に応えるよう決める。
そして、また、状況が変わって、時間の希望が変わったら言ってね、という感じでとりあえず決める。
岸浪 面接のとき、どれくらい働きたいかって聞いたら、その女性が泣き出したので、どうしたんだ!え?なんか悪いこと言ったっけ???って狼狽したら、『今まで他の会社で、自分の都合とか、どれくらい働きたいかとか、聞いてくれたことなかったので、うれしくて泣けてしまった』っていうんですよ。(笑)・・・
A子 面接のとき、『どれくらい働きたいか?』とか聞いてくれ、『また事情が変わってもっと働きたいとかなったら言ってね』って言われました。
給料も、子育てで大変だから一応これくらいって配慮してくれ、『足りなかったら言ってね』って言われました。
帰って、母親にそのとおり言うと、『そんなバカな会社があるわけないやろ!』と言われました。(笑)
・・・
祐子 疲れたからもう帰りたい〜とか、疲れたからもう帰る〜〜、とかも普通!
牛丸 みーんな、なんだかんだ言って帰ってしまって、俺一人になったことがある。えーーー!!ふざけんじゃねー!!LINEで、なんとかしてくれ〜!!て流したら、応援が何人も来てくれました。(笑)
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では、能力や資格、経験、実績はどう給与に反映させているか?
岸浪 そんなの、質問されるまで、いままで考えたことなかったです!
全く、どれも、給与には反映していません。みんな一緒です。
だって、能力とか、資格と言っても、それは、遺伝もあれば、親がうけさせてくれた教育とか、周りからの教育とかでしょう。自分でやったことじゃないでしょう。
それに、たとえば祐子ちゃんは、仕事ほんとのろいけど、ひとを笑わせる能力とか、周りを明るくする能力とか、どう査定すればいいの?手が早いなんてことより、そんなことの方が、会社にとって、ほっぽど大事だよね。あるいは全然仕事しない、できないけど、この人にはいてほしいって人いるよね!
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全体に、少ない給料でも、いい人間関係の中で、ゆったり仕事をして生きていきたいという雰囲気もあるが、そのライフスタイルだけに決め付ける、それがいいというのもおかしい。
もっと働いて、その代わりもっと給料がほしいという社員がいるが、それは、それがかなえられる手当等を出して、希望がかなうよう対応している。
何かが正しいという決めつけは問題の元ですね。だけど、会社も、今はこれだけしか払えないよって話し合える間柄だから。