昨日の本の続編です。
こちらは「天気が教えてくれること」というテーマでした。
P27
根本 体調との関係では、喘息は天気に影響されます。
糸井 僕は喘息だったけど、低気圧や寒さには弱かった。
根本 いや、喘息の発作を起こさせるのは低気圧じゃなくて高気圧ね。
糸井 えっ、違うんですか。えらいこっちゃ。(笑)
根本 大陸から移動性高気圧が出てきて朝鮮半島にさしかかると、日本で喘息がどんどん多くなるの。そして熱帯低気圧である台風が来ると、空気が混ざって、発作が止まるんです。・・・
糸井 じゃあ、僕が低気圧に弱いと思ってたのは何だったのか……。
根本 悪い天気に結びついているはずだという先入観ですよ。坐骨神経が痛くなるのも寒冷前線のせいじゃないんです。寒冷前線が通る前に、非常にシャープに暖かい空気が流れ込んで温度がグッと上がるんですが、そのときに痛くなる。だけど、それからやがて寒冷になるから、みんな寒冷のときに痛むと言ってるんですよ。
木村 自分はリューマチの痛みで天気を予想する、なんて言う人がいますけど、あれ、違うんですね。
根本 将来の天気とは関係ないです。症状を起こしたときと、それまでの天気によるんです。・・・何でも思い込みじゃなく、まず起こっている事実ね。それを見つめることから始めないといけないんです。
こちらは「歩く楽しみ」というテーマでした。
P82
池内 僕は以前に四国で遍路をやりました。1週間くらい続けて歩いていて、面白いのは最初の2日は少し疲れが出てくるんだけど、3日目くらいになってくると、一種の幻覚に見舞われる。泉鏡花の小説にもあるようにね。脳がずっと揺られている中で刺激を受けるのか、雑念がモヤモヤ生まれて、いろんな面白い想像をするんです。ところが、それを越えると、今度は何も考えなくなる。一種の禅に近いですね。
デューク 思考が消える、そして、感じるだけになる。歩くって、考えることではなく、感じることなんですね。
池内 だから、だいたいどの宗教者もみんな歩いています。座禅は歩くのとは逆に動きをまったく止めてしまうものですが、その前は極端なくらい歩いている。
デューク 歩き切って止まる。
糸井 歩いている間に妙に頭が冴え渡ってくる、あの気分のよさは独特です。
・・・
糸井 ・・・デュークさん、正しく歩くコツをちょっと教えてください。
デューク あんまり腕を振ってはいけません。腕は後ろに引くものです。腕を前に出して手で腰のリズムをとりながら歩いている人をよく見かけますけど、ものすごく脳に悪いです。足でリズムをとらずに、手だけで動いてるでしょ。そのうち筋肉と神経のバランスが崩れて、手を前に出さないと体が動かなくなります。あとは体の重心を絶えず意識すること。きれいに歩くには、へそをクッと上げることですね。重心を上に上げる。そうすると軽く歩けて、膝や腰に負担もかけない。
・・・
風を切るようにして歩くと、夏は涼しくて、冬は暖かいですね。手の振りとか腰の動きの加減を少し変えて、正面から風を受けない。僕は天候によっても、歩き方を多少変えます。雨だと、1本の線のようにシャーッと歩くと、わりとハネが上がらない。太陽のある日は、胸をずーっと上に上げながら歩くとか。
糸井 疲れて、歩き方に元気がない時だってあるでしょう。
デューク そういう時はわざと元気のない歩き方をします。
池内 とぼとぼ肩を落として、しょげたように歩いてもいいんですね。
デューク はい。僕、朝起きてすぐは、まだ体が整ってないから汚く歩きますよ。汚いっていうのは、体を丸めてどこにも中心を作らずにフワーッと歩く。毎朝コンビニに新聞を買いに行くのを日課にしてますが、新聞が目的ではなく、10分ほど歩くことで調整するわけです。だから往きの歩きは誰にも見られたくない(笑)。そのかわり、帰り道はビシッと中心を立ててデューク更家の歩きになっています。
