ニューヨークが教えてくれた❝私だけ❞の英語

ニューヨークが教えてくれた“私だけ"の英語―― “あなたの英語"だから、価値がある

 ニューヨークの魔法シリーズが大好きなので、この本も読んでみました。

 

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 子どもたちが自分の「好き」を英語にみつけた時、英語だけでなく、自分への自信につながった。そして、そんな自分を好きになれたように、私には感じられた。

 授業中に聞いてみると、小学1年生でも「自分に自信がない」「自分が好きじゃない」という子どもたちが、クラスの半分以上いた。これには、担任の先生も驚いた。高学年になると、その割合はもっと高くなる。手をあげて答える時に、「間違っているかもしれませんけど」と断ってから発言する子が少なくない。

「自分のいいところを、ひとつ言ってごらん」と聞くと、手をあげる子はほとんどいなかった。「評価は自分がしちゃいけない。人がするもの」と言った女の子もいた。

 みんながどれだけ低い確率でこの世に生まれ、それがいかに奇跡であるか、名前にはつけてくれた親などの想いや願いがこもっていることを、一緒に考えた。

 最初の授業で私は、子どもたちに地球儀を見せる。日本が海に囲まれた小さな島国であることが、よくわかる。日本以外の国では「国語」(事実上)になっていない、私たちの美しい日本語。ひらがなもカタカナも、数限りない漢字も覚えなければならないこの言葉を、みんなが自由に操れることのすばらしさ。

 でも日本から一歩外に出たら、ほとんどの人に日本語は通じない。世界じゅうの人とつながるために、日本を伝え、ほかの国のことを知り、相手を理解するために、英語が必要であることを知ってほしい。

 自分を好きになると、他人にも関心が生まれ、やさしくなれる。それが学校を好きになることにつながり、地域、国、世界に住む人への思い、と広がっていく。自分に自信がもてると、英語にもさらに自信がもてるようになる。大きな声が出て、恐怖がなくなる。自分の英語が人からどう思われるか、気にならなくなる。

 Do you care for yourself?

 あなたは自分を大切にしていますか?

 自分に自信がありますか。何をしていると、楽しいですか。幸せな気持ちになるのは、どんな時ですか。

 私が高校留学した時、英語にはこんな表現があるんだ、と衝撃を受けたのが、前にも書いたように、ホストファミリーや友人が言ってくれたこんな言葉だった。

 Thank you for just being yourself.

 ありのままの自分でいてくれて、ありがとう。

 日本ではいつも、「だから、あんたは」と批判され、「ほめると、つけあがるから」と言われていた私が、「私でいることだけで、ありがとう」と言ってもらえる。

 I'm proud of you.

 あなたを誇りに思うよ。

 この言葉も、そうだった。こんな私を、誇りに思ってくれる人がいるなんて。

 私たち日本人は、自分に厳しすぎる気がしませんか。

 まずは自分のいいところを見つけ、自分を知る。英語の学習方法にしても、耳から入るのが得意な人もいれば、書くのが好きな人もいる。そして、自信をもって、あなたの言葉で、あなたのことを伝える。それが、あなたらしい、あなただけの英語だ。