裂け目があるからこそ

まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう (SB新書)

 印象に残ったところです。

 

P181

 私たちの世界の未来がどのようなものになるか、私にはわかりません。

 ですが、「100年後の世界を生きる人々が、自分たちでさまざまなことを決めることのできる可能性を奪ってはならない」ということはわかります。

 たとえば私たちが地球を温暖化により破壊してしまって、誰も暮らすことのできない状態にしてしまったとしたら、100年後に人類は地球に住むことができず、彼らは別の暮らせる場所を探しにいかなければならなくなりますよね。・・・

 ですから最も重要なのは、私たちが後世の人々のために何かを決める必要はないですし、また、決めてはならないということです。後世の人々が別の星に移り住むかどうかも、地球に残りたいと願う人は残れるようにするかどうかも、その時代を生きる彼らが決めることだからです。

 そのために私たちができる大切なこととは、「できるだけ取り返しのつかない変化を起こさないようにすること」です。・・・「Be a Good Enough Ancestor(よい祖先になろう)」という言葉がありますが、それは「パーフェクトなご先祖さま」のことを指すのではありません。パーフェクトとはあなたにとってのパーフェクトであって、それが後世の人々にとって必ずしもパーフェクトであるとは限りませんから、後世の選択の自由を剥奪しないように気をつけたいものです。

 

P189

 私がメッセージを求められた際にいつも参照している言葉は、前述したレナード・コーエンの歌『anthem』の一節です。ここでは長めに引用しましょう。

 

Ring the bells that still can ring

Forget your perfect offering

There is a crack in everything

That's how the light gets in

 

筆者拙訳:

まだ鳴ることのできる鐘を鳴らそう

完璧さを求めるのは忘れよう

すべてのものには裂け目がある

裂け目があるからこそ、そこから光が差し込むことができる

 

 ・・・

 今の世の中には貧困や格差や温暖化など、大きな問題がたくさんあります。

 たとえば<SDGs>が非常に大きな目標であるために、「今の自分には、とてもその大きな鐘を鳴らすことはできない」と思うかもしれません。でも、今のあなたにも何か小さな一つ、二つでも<SDGs>に貢献できることはあるはずです。

 ・・・

 そうした意味で、私はあなたに❝Ring the bells that still can ring(まだ鳴ることのできる鐘を鳴らそう)❞と伝えます。あなただからこそできることはあります。

 もし、あなたが今「自分には何もできない」と思ってしまったとしたら、・・・❝

There is a crack in everything.That's how the light gets in(すべてのものには裂け目がある 裂け目があるからこそ、そこから光が差し込むことができる)❞という言葉を贈りたいと思います。

 ・・・

 ・・・あなたに聞きたいのは、「今のあなたにはどのような〝ひび割れた裂け目〟が見えていますか?」ということです。つまりそれは、社会の中の何かよくない部分です。あなたの友人や親戚、ご近所さんたちが、今何に苦しみ、悩んでいるかを思い浮かべたり、実際に聞いてみてください。

 ・・・

 100%完璧でなくていいのです。そもそも一人の人間にできる100%の社会貢献なんて、この世には存在しないのですから。たった少し社会をよくしたり、問題を解決しただけで、たくさんの人を幸せにすることができます。

 ・・・

 挫折したり、不安になることはとてもよいことなのですよ。なぜならそれらは、〝あなたが新しい可能性を迎えようとしている〟ことを示しているからです。現状に100%満足しているのなら、何か新しい関心事を見つけたり、好奇心を持ち続けることはできなくなってしまいます。

 ・・・

 ・・・急いで解決しようとさえしなければ、自分に「裂け目こそが、光の差し込む入口だ」と言い聞かせてあげることができます。物事に対する不安な気持ちこそが、好奇心の源となり、私たちが新しく誰かと知り合ったり、新しいやり方を見つけるための原動力になってくれるのです。

 

 ところで、セミナーhttps://www.aqu-aca.com/seminar/timetraveler/

のお手伝いに行く間、ブログをお休みします。

 いつも見てくださって、ありがとうございます(*^-^*)