昨日は朝早く出る必要があって、家を出てからふと、ブログの更新を忘れたような?と思いました・・・ら、やっぱり忘れてました(;^_^A
こちらは、神戸でマジックカフェを開いているBirdieさんと保江邦夫さんの対談本で、興味深く読みました。
P127
Birdie ・・・こんなことがありました。
以前、ラジオ番組のスポンサーさんだった、大阪のアルミ会社の会長さんとラジオでご一緒したとき、
「スプーン曲げをやってみせて」と言われたんです。
安田金属工業さんだったかな。年配の方です。電話ボックスのフレームを作っているとおっしゃっていました。
それで、希望どおり、スプーン曲げを披露したのですが、まったく驚くことなく、「なるほどね」と言うんです。
「こういうことって、あるよね」と。
その方は、曲げるときに、金属が軟化していく様子をイメージすることから生まれる作用によって、量子が同じ方向を向いたときに曲がるのだろうと説明されていました。
「そういうことは、起こりうるね」とおっしゃる。
ずっと金属を扱っている方ですから、かなりの専門知識や経験則があるんだろうと思いますが。
保江 確かに、完全に方向が揃うと、もう自由に形が変えられるようになります。
ただ、世の中に出回っている金属が、完全に揃っていることはまずないんですね。
安田金属工業といえば、岡山にも同じ名前の会社の工場がありますよ。
フェラーリのエンジンを作るための、金属の台を製造しているところです。
エンジンの部品を作るNC旋盤と呼ばれる、コンピューター制御によって自動化された加工機械を、普通の金属台の上に乗せて作動させると、誤差が大きすぎてフェラーリ社が求める性能が出ないそうです。
完全平面で、表面の凸凹が0.1ミクロン以内の金属台でないとダメ。その台の上に旋盤を乗せて作動させることで、やっと、精度の高い部品ができるといいます。
それを作っているのが、この会社です。
そこの社長さんはすごい人で、金属の表面を手のひらで触って、
「ここがまだ0.2ミクロン盛り上がっているから削りなさい」とか、工員に指示を出すそうです。
削るといっても、ヤスリでは削りすぎて逆にへこんでしまうから、鹿の皮か何かでこすって整えます。
その微妙な、0.1ミクロン単位の違いが、指で触ってわかってしまうんですね。
0.1ミクロンというのは、0.0001ミリメートルですから、もはや、ある意味超能力。その人しかできないと思われていました。
でも、今は後継者ができたそうです。なんと、ちょっと前まで地方の女子大生だった女性といいます。その子も、超能力者ですよね、いわば。
Birdie びっくりしますよね。
保江 その社長さんなら、そういうふうに言うでしょうね。
0.1ミクロンの凸凹が、指で触ってわかる人にとっては、スプーン曲げの理解もできるのでしょう。
Birdie はい。金属は、量子が同じ方向を向いたら曲がるという性質があるから、そのイメージを量子的に伝えているとおっしゃっていました。
でも、僕にはそういう意識はないんですよ。
保江 そういうイメージはしていないのですね。
Birdie してないです。
ただ、僕には、曲がるというイメージをスプーンに伝えると、実際に曲がるという感覚があるだけです。
これは、フィーリングの問題ですよね。
僕はこのとき、本当にびっくりしたんです。
「金属会社の人がこんなの見たら、さぞかし驚くだろうな」と思っていたのに、まったくそんなそぶりがない。
全然びっくりされないことに、びっくりでした(笑)。
保江 相手が悪かったですね(笑)。その方は特殊ですから。
一般的な鉄工会社の研究者に見せたら、普通は柄の部分にクラックが入ると絶対に言います。
クラックなしでこうした加工ができるという、何らかの物理的な方法を論文として発表したら、世界的にも驚異の目で見られると思いますよ。
博士論文だって、いくつもできるでしょう。
恐るべき技術革新ということでもてはやされ、製品も、いたるところで使われるでしょう。
それだけ、現在の技術ではその加工は難しいのです。