このエピソードを読んで、思い込み次第でできたりできなかったりすること、たくさんありそうと思いました。
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保江 ここでちょっと、秘密のビデオをお見せしますね。
岡山と広島県の県境に、福山という町があるんですが、そこには製鉄会社がたくさんあり、工員さんもたくさんいらっしゃるんですね。
それで、繁華街には、フィリピンパブとか女性がもてなしてくれるようなお店も多くあるんです。
Birdie フィリピンパブですか。
保江 はい。そのフィリピンパブに、知り合いの土建会社の社長さんが行って、飲んでいました。
フィリピン人の若い女の子が同席しましたが、店のママが、
「この子には、超能力があるのよ」と言うんですって。
「どんなことができるの?」と聞いたら、
「触らずに物を動かせるのよ」と。
それならぜひやってもらおうということで、テーブルの上にあった、果物をたくさん載せた大きなガラスのお皿を動かしてもらうことにしたんです。
そのお皿は、最初から飾り物的に置いてあり、それに細工をする時間はなかったはずです。
そして、そのフィリピンの女の子が何か念じて「ふん」とやったら本当に動いたという。
じゃあ、再生しますね。これがフルーツの皿。
ほら、コップも一緒に動いたでしょう?
Birdie ほんとだ。サイコキネシスですね。
保江 それで、社長さんが、
「あなたはなんでこんなことができるの?今のはどうやったの?」と聞いたんです。
すると、
「私が育ったフィリピンの田舎の村では、女性はみんな、お母さんもお姉さんも女友達も、こうやって手を触れずに物を動かしたり、料理したり、洗濯したりしているよ」って言うんですって。
それが当たり前で、そんな中で育っているから自分ももう、物心ついたときから普通にそうやってきたというんです。
そして日本に来て……。
Birdie 日本の人は誰も、動かしていないのを知ったんですね。
保江 そう。それにむしろびっくりして。
時々、こうやってお皿を動かしたりしているのを他のホステスやママが見ていて、
「あなた、何をやっているの」と。
・・・
社長さんが携帯で撮影して、その動画を僕に送ってくれたんですね。
それで、僕もその子に会いたいと思って、その店に連れて行ってもらったんです。
でも、撮影したときから1年以上経っていたので、その子はフィリピンに帰ってしまっていました。
ママの話によると、やはり日本の暮らしが合わなかったそうです。当然ですよね。
Birdie なかなか合わないでしょう、触らずに物を動かす人なんて。
・・・
しかし、世の中には、不思議な地域があるもんですね。
保江 そうそう。その村だけと言っていました。
しかも、女性だけなんです。
男たちは船で海に出たり、山で作業したり、しばらく帰ってこないことも多いらしく、女性だけが残されてしまうこともよくあるといいます。
それでも、力仕事とかあるじゃないですか。そういうときに必要に迫られて、女性だけが普通にそんなことをしているんですって。