こどもは古くならない。

こどもは古くならない。

 

きのうはうっかりブログをアップするのを忘れたみたいです・・・今朝までそのことに気づいてなかった(;^ω^)

はみがきのように習慣になってるので、忘れることもあるんだなぁと、ちょっとおもしろかったです。

 

糸井重里さんのことばを集めた本を読みました。

 

P55

 マンガ家になりたいと思ったぼくでしたが、さしたる努力もせず、はじめの一歩も踏み出さず、ただうやむやのうちに、マンガ家はあきらめたのでした。

 で、ふと、いまさら思ったのです。ぼくがもっと努力をして、研究したり修業したりして、相当の力量を身につけてマンガ家になったとしたら、水木しげる先生だとか浦沢直樹先生だとか、吉田戦車先生だとか和田ラヂヲ先生だとかと、「しょうばいがたき」になっていたということだぞ、と。いやいや、そんな方々と競争できるとしたら、それはもうオリンピックに出るようなクラスの話だから、それよりはずっと低いレベルのところで、苦労したり自己満足したりしながら生きてたんだろうな。

 危なかったぜ!ほんとうのじぶんより40倍くらい才能があったり努力できたりしていたら、もっとずっとキビシイ人生を送っていたにちがいない。

 野球なんて、もっともっと怖いよ。ぼくが、実際のじぶんより80万倍くらい才能があって、しかもまじめに練習もしていたら、もしかすると(!)プロ野球選手になっていたかもしれないじゃん。そしたら、ぼくがファンという立場でえらそうに「あいつがしっかりしないからどーのこーの」なんて言ってる、二軍と一軍の間くらいの選手に成長していたかもしれないわけですよ。もちろん実際の80万倍くらいうまくいったら、ですよ。最高にうまくいってしまったら、大変だったですばい。小学校6年生くらいの早い時期に、野球の選手になる夢をあきらめてよかったですよ。

 宇宙飛行士の夢も早めにあきらめてよかったし、言いにくいけどビートルズになることも、あきらめた。夢をあきらめ、努力もせずに生きてきて、どうでしょうか。結論的に言えば、ほんとに助かったよ、でした。なるようになった、というのは、けっこう幸せかもなぁ……。

 

P58

 まず文の頭に「そういえば、おれ……」と書いてみる。

 そういえば、おれ……2年以上も毎日ヨーグルト食べてる。

 そういえば、おれ……あんこう鍋って食べたことないわ。

 なんてことも思い浮かべられますよね。

 そういえば、おれ……油絵って描いたことないな。

 ということだってあるでしょう。

 つまり、これは「発見」を導き出すフレーズなのです。

「ほぼ日」の社内で、ぼくらはいつも、この、

「そういえば、おれ……」を出し合っているように思います。

 

P74

 いいかい?進化だって変化だろう?進歩も変化だ。

 発展も変化だ。成果も変化のおかげだ。成長も変化だ。

 驚きも変化だ。うれしいと感じることも変化だ。

 生まれるも変化だ。申し訳ないけど死ぬも変化だ。

 出会いも変化で、別れも変化だ。

 強くなるのも、おもしろくなるのも、上手になるのも、

 おいしくなるのも、金持ちになるのも、貧乏になるのも、

 ネガティブだと思われていることも含めて、みんな変化!

 生きていれば、変化する。

 そして、それらの変化を経験した人生になっていく。

 

P75

 深く深く突っ込んでいくと、だいたい行き詰まる。

 ・・・

 答えに関係ないところまで深く深く掘ってしまう失敗は、

 世の中のあちこちにたくさん見つかる。

 つながりもなく、栄養もなく、ただ暗く深くなる。

 これは、ほんとうに不毛なんだよなぁと、ぼくは思う。

 昨日、ある打ち合わせで、ふと、ぼくが言った。

「その問題、深く深く掘っていくと、

 切りもなくわけわからないところに行きそうなので、

『浅めたら』どうでしょうね、深めずに」

 ついダジャレのように口をついて出たことばなのだが、

 言ったぼく自身、かなり気に入ってしまった。

 問題を、「浅める」ということを、意識的にやろう。