デジタルデトックス

君か、君以外か。 君へ贈るローランドの言葉【電子特典付】

 自分がスマホを使っていないので、ヘビーユーザーだった人が手放すとこんな感じなのだなと印象的でした。こういう人が増えてくれたら、ガラケーがなくならずに済んでありがたいなぁ・・・。

 

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 今は、あまりにも情報が多すぎる。

 そんな世の中にあって、情報に対して明確に自分の基準を設けなければ、何を信じていいのかわからなくなる。

 だから俺は、自分で見たもの以外は、どんなものも信じないようにと努めている。

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 かつてスナフキンが言った言葉に、素晴らしいものがある。

「なんでも自分のものにして、持って帰ろうとすると、むずかしくなっちゃうんだよ。

 ぼくは見るだけにしてるんだ。そして立ち去るときには、頭の中へしまっておく」

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 目で見たものだけを信じ、そして記憶に残るものだけを大切に、忘れてしまうのならそれまでだ、と割り切って生きるように意識してからは、人生がとても身軽になった。

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 スマホを手放すこと。

 クレジットカード一枚と、スーツ一着で世界を旅すること。

 これは自分の人生においての、必ず叶えたい大きな夢のひとつだ。

 まずはとりあえず一番手頃な、スマホを手放すという夢を実現できるように頑張ってみるとするよ!

 

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 ・・・デジタルデトックスを始めて早3年。LINEこそ変わらず60分だが、ついにInstagramの使用制限は10分になり、Twitterは驚異の1分だ。

 旅行に行くときはスマホを置いていくようになったし、メインの連絡手段はガラケーだ。

 それからアブラサスという会社と共同で、「スマホを設定した時間ロックできるポーチ」も開発した。

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 以前はエレベーターが来る数十秒の待ち時間ですら惜しくて、ポケットからスマホを取り出し操作していた俺が、デジタルデトックスの感動をみんなにも味わってほしくて、ついには、そんな商品を開発してしまった。

 俺を、時代遅れの人間だと笑う人もいるが、人生は以前よりも、ずっとずっと充実している。

 もし君が、SNSスマホに依存して疲れ果てているのなら、そして、そんな自分を変えたいと思っているのなら、是非、ローランド流のデジタルデトックスを試してみてほしい。

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 ・・・「デジタルデトックス」が日常になってきたある時、俺は思い切ってスマホそのものを置いて旅に出てみた。

 スマホ自体がなかったら、いったいどうなるのだろう?という興味があったのだ。

 すると、いろいろな発見や考えが頭に浮かんだ。

 車窓から見える景色って、こんなに綺麗だったんだ。

 富士山が近くに見えるということは、だいたい今はこの辺りにいるのかな?とか。

 だんだん日が沈んできたな、とか。

 そんなことを考えるのは、非常に楽しかった。

 極端だが、生きていると実感できた。