少しずつ、印象に残ったところをメモしました。
清水ミチコさんと、あとお二人の鼎談集。面白かったです。
P37
三谷 息子のこともあって、最近教育論の本を読んでるんですよ。
・・・その中で僕に一番フィットした言葉が、「がんばって結果を出したものではなく、自然にできて結果を残せたものを、才能と呼ぶ」っていう。さっきの清水さんの話なんか聞くと、やっぱりこういうのが才能なんだなって思いますね。
清水 でも、今の学校は、「何かができない子」がかわいそうだからって、みんな平等にしようとするんだってね。
大竹 運動会は、同じような速さの子を集めて走らせるから、断トツ1位がいない。学芸会でも主役が交代していくんだって。それじゃ、かけっこが得意、お遊戯が得意っていう子がいなくなっちゃう。
P117
井上 確かタモリさん自身も言ってましたね、「俺はなりすましだ」って。まあ、ミッちゃんもそうなのかもしれないけど。
清水 あ、それはその通りだと思う。自分の中の情熱的なものを表現しようとかはぜんぜん思わないけど、「誰かになって表現したい」っていうのが、すごくあるんですよ。なぜなのかは、よくわからないんだけど。
井上 人さまに向かってナマの自分を出すっていうのは、やっぱり抵抗があるじゃない。
清水 そもそも、お出しできるものがない。この前、洋服屋さんで、私に気づいた若い子たちのヒソヒソ話が聞こえてきたの。「あれってさ、本物?」「もしかしてモノマネ?」って、清水ミチコもモノマネだと思われていたのか。(笑)
井上 わははは。
山下 じゃあ「本物の私はどこ?」って(笑)。でもそう考えていくと、俺たちの商売はどこまでがナマの自分か、わからなくなる時があるよね。
・・・
僕の場合も、ピアノの前に座ったら、やっぱり別人にならないと表現できない。
・・・
まあ考えてみたら、みんな自分にしかできないことやってるよね。たぶん、これほど楽しいことはないんでしょう。
清水 そしてみんな愉快犯になった。(笑)
こちらは、二階堂ふみさんの対談集。
19歳から20歳にかけての時期に、大人になるって?というテーマでいろんな方とのお話が載ってました。
楳図かずおさんの言葉
P83
今回の映画もいただいた話ですけど、自分ではどうにもならないことが多いし、あまり考えてないんです。ただ、自分にしかできない仕事をやってないと生きてる気はしませんよね。
・・・
例えば、漫画を描く時はいつも客観視していて、頭の中でいろんなキャラクターの立場になりながら描いてるんです。でも、大丈夫な時は「オッケー」って声が自分の中から聞こえるんですね。今回の映画もそう言われたんです。いつもだいたいそう。周りから何を言われようと、もう自分自身からオッケーが出てるので、絶対の自信で進むんです。
二階堂ふみさんの言葉
P130
昔、すごく影響を受けた塾のおばさんがいて、その人が「後ろを振り返るわけでもなく、前を見るわけでもなく、今どこにいるのかを見るのが大事」って言っていたんですね。だからまずは今を大事にしたいなと。
鶴瓶さんの言葉
P177
あのね、「美意の按配」ゆう台湾の人に聞いた故事があって、要はすべての出来事は全部上が決めてはることなの。
・・・
そう思うと楽でしょう?結婚も美意の按配で決まってんねや。この間、ファンの子から手紙が来てな。前にメイクで「神」って書いて笑わしたことあんのよ。その子はそれを写メで撮って待ち受けにしてて、それ以来、すごくいいことばかり起きると。就職もうまくいったり、いろんなことが起きたって言うてな、ほらこれ。
・・・でもこれは単なるきっかけやと。そう思える心が大事なんやと思うよ。気持ちの余裕やんか。物事はとらえ方によって全然変わる。腹立てるのと面白いのと、どっちがええか言うたら面白いほうがええのよね。
・・・
この間も寄席に陶器を持ってきはったおばちゃんがいて、「これ持って帰ってください」って。その後、みんなで飲んでる時、ADの子がその陶器の値札を見て「うわー!」言うたんよ。「いくらだと思います⁉」って。みんな3万とか5万とか。20万って言うたやつもおったな。正解は840円。
・・・
家にあるもんをそのまま持ってきたんやろうな。それを「なんや、あのおばはん」と取るか、面白いと取るか。めっちゃおもろいやん、840円って。俺はたまに世渡り上手とか八方美人とか言われるけど、それもとらえ方の問題。愛されるのは武器やからね。もっと愛されたいと思うてるよ。
・・・
ミッキーマウスくらいにならないとな。ミッキーマウスになりたい(笑)。