猫はどうしたら幸せに生きられるのか、わかっている。猫を真似してみよう!という、フランスでベストセラーになった本を読んでみました。
ここまで振り切ってみるくらいでちょうどいいのかも・・・
P11
太古の昔から私たち人間を魅了してやまない猫。猫たちはどうしてあんなに落ち着いて幸せそうに見えるのだろう。
彼らの習慣やちょっとしたくせ、態度や反応をじっくり観察してみると、彼らが独自の信念や哲学をもって生きているように思えてくる。
猫の生き方哲学はシンプルだ。食べる、遊ぶ、寝る、快適に過ごすことだけを考え、気に入らないことはやらない。それだけでも私たち人間にしてみればすごい生き方だが、それだけではない。
とにかく、猫にとっては自分の幸せが最優先。その結果、ストレスなしに健康的に生きていけるらしい。
猫の行動に少しだけ近づければ、私たちも世界の見方が変わり、職場でもプライベートでももっと前向きに生きられるようになるかもしれない。
P14
好きなものだけを手元に置いて、気に入った人間関係だけを残し、夢中になれる活動や仕事だけをしてみたらどうだろう?何も心配しないでやりたいことだけをする。
そんな夢みたいなことがあるわけない。そう思ったら猫を見てみよう。
猫にとって自由に生きることは、別に後から覚えたわけではない。生まれつきのいわば性分で、生きることの基本といっていい。つまり、自由でいること以外はすべてどうでもいいことなのだ。
一方、私たちは日々の暮らしの中で、この自由という理想を自分でただの夢にしてしまっている。「スケジュール的にみんなの迷惑にならないなら、有給休暇をとってみようかな」などと考えてしまうのだ。
P16
猫がそっと部屋に入ってくるだけで、私たちはどうしても彼らのほうを見てしまう。猫にはとてつもない風格があるのだ。こんな魅力を手に入れられたら、と誰もが思うだろう。・・・
・・・人間にもまねのできるテクニックはある。・・・
つまり、何もしないだけだ。
自分の個性を光源か何かのように静かに光らせよう。・・・必要以上に自分をさらけ出さず、自分をよく見せようとしゃべりまくったりしないようにしよう。・・・
・・・
カリスマ性というのは、自分自身と他人に正直で、自分のありのままを受け入れ、うわべを取りつくろったりなんてしないこと、本当の自分らしくあること、そうしながら少しずつ身についてくるものなのだ。
P22
いつも外の世界にかまうことなく瞑想にふけっているように見える猫にも、譲れないことはある。それは、普段の暮らしだ。安全で幸福な、居心地のいい毎日こそが、猫の最大にして唯一の守るべきものだといえる。
猫はめったにストレスを感じないものだが、この「平和な暮らし」の変化だけは許せない。この時だけはもとの暮らしを取り戻すためにガンコに抵抗する。
たとえば毎日の食事が安いドライフードに変更されて、それがおいしくないと思えば、「口に合わない」とはっきり主張する。また飼い主が猫の許容限度を超えて長い留守を繰り返すと、それは自分に対する思いやりと愛情に欠けた行為であると、全力で根気よくアピールしたりする。
猫のように身も心も穏やかに暮らす秘訣は一つ。ストレスの原因を見極めること、そして原因がわかったら、全力で解決すること。ストレスの原因がきれいさっぱりなくなるまで、ガンコに抵抗しよう。
あとは、過ぎたことを悔んだり思い返したりしなければ、もとの穏やかな暮らしは戻ってくる。
P36
自分のことが全部大好きという人はあまりいないだろう。むしろどこかしら自分に不満のある人のほうが多い。もう少しスタイルがよかったらと思うこともあれば、今の仕事や生活がつらいとかつまらないとか思ったり。そんな自分自身が好きになれないという人がどうも多すぎる。
人は一人ひとり違って生まれてきて、違った環境で成長する。自分がほかの誰かと違うのは当たり前だ。自分がほかの誰かだったらよかったのにと考えるより、自分のもっている豊かな可能性や能力を発見しようとするほうがいい。自分を受け入れるとはそういうことだ。
・・・
私たちにとって「自分を受け入れる」という言葉は、つかみどころがなくて難しい。でも猫の、今の状態で満足している様子を見ると、すんなり納得できるものがある。
猫は猫であるがゆえに愛される。そしてたぶん、猫自身が何よりそれをよくわかっているのではないだろうか。ぐずぐずと自分に不満を言うより、とりあえずは猫のまねをしてみよう。あなたも、あなたであるがゆえに愛されなくてはいけない。
自分が好きでも好きでなくても、悲しくても悲しくなくてもいい。朝、鏡の前でちょっと微笑みを浮かべて、「私はあなたが好き」と言ってみよう。鏡の中で微笑みながらそう言う「ありのままの自分」を見れば、自分のことが本当に好きになれるのにあとどのくらいかかるのか、わかってくる。
P61
猫と犬の違い。
犬は人に食べさせてもらい保護してもらっているから、
人を神だと考える。
猫は人に食べさせてもらい保護してもらっているから、
自分を神だと考える。 ―アイラ・ルイス(俳優)
P146
うちの猫ジギーを見ていると、とてもきれい好きでエレガントな一方、汚いごみ箱をあさって興味のあるものを見つけたりする。彼にとっては興味を引く面白そうなものかだけが問題で、それに金銭的価値や外見的美しさがあるかどうかには意味がない。他人が自分をどう思おうと、それもどうでもいいことなのだ。
・・・
猫には、もっている物も社会的な地位も意味がない。他人からどう思われようと、どう見られようと、あるいはどう批判されようとどうでもいいことなのは、すでに十分見てきた。
・・・
何かしたい時や新しいものを発見した時に、猫はなんと言うだろう。
「あ、長いしっぽが通った。あの分厚いほこりのかたまりの下へ入っていったな。それ行け!……体が汚れる?それが何か?後できれいにするから。今はあっちのほうがもっと大事……」
好きな事を好きな時に楽しもう。
後のことはあまり考えすぎないほうがいい。