わからないという知恵を持つ

ウニヒピリのおしゃべり ほんとうの自分を生きるってどんなこと?

 私は何も知らないって大事だなと・・・ゆだねる姿勢、謙虚な姿勢を心がけたいです。

 

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吉本 たとえば、私が知ってる人の中に、タイミングがとんでもなくうまくいかない人たちがいるんです。

 わかりやすい例として、・・・行ってみたらお店が閉まっていたり。

 いろいろな予定を立てるときも、とてもタイトに立てて。・・・見ていると決して心地よさそうじゃないんです。・・・「いやでいやでしょうがないけど、こうしなくちゃ」みたいな感じの人がけっこうたくさんいるんです。

 すべてをふんわり考えないで、キュッと考えるからズレていっちゃう。

 そして、必ずそういう人には、よくこんなことが起きるねっていう、タイミングの悪いことが起きるんです。

 ほんとうによくできているなって私は思うのですが、命にかかわらないから、遊びの一つと捉えていいと思うけれど、宇宙というか神との遊びというか、とにかく、よくぞこんなふうになるなっていう。

 だけどもし「何もしなくてもなんとかなっちゃう」といった状況がほんとうに信頼できれば、意外にスムーズに流れるんじゃないでしょうか。

 だから、なるべくその感じを体感していくことによって、ほんとうの自分や人生ってラクになるんじゃないかなと思います。

 ・・・

 女の子同士で飲んで楽しかったりしたら、「じゃあ、これ、また開催しよう」「三カ月後の今日」みたいに次につなげようとなっちゃって、だんだん息苦しくなることがあります。

 ひとことでいうと、しがらみっていうんでしょうか。

 私はそういうとき実際に仕事が入っていることが九十八パーセントなんですが、たとえ空いていても「いや、仕事が入っているんで」と言って断っちゃうことがあります。

 ・・・小林健先生がこんなことをおっしゃっていたのですが、「そういうとき『仕事だから』って日本人はすぐ言うけれど、それはよくないですね。『ほんとうに自分がその日どうしたいか、まだ決まってないから』って言えばいいじゃないですか」って。

 それは、とても大事なことだとハッとしました。彼の住んでいるニューヨークという「外側」から日本人をいっぱい見て、思われたことだと思うのですが。

 それからは「いや、そのときの予定がまだ読めないから」と、正直に言うようにしていて、それだけで心のすっきりさが違うんです。

 

平良 その瞬間は勇気がいるけれど、その誠実さが自然に自分自身や他人に持てるようになれば、関係も未来も、とても自由に膨らんでいきそうですね。

 

P169

〝I know nothing.〟「私は何も知らない」という状態は、クリーニングをする上でとても大切だとヒューレン博士はおっしゃっています。「わからない」という知恵を持つことで、クリーニングした時に、その物事が起きる真の原因に直接働きかけることができるから。「これはこういう原因で起きたのだ」と私たちは問題が起きたときにすぐさま判断しがちですが、そんなとき、問題のほんとうの原因、歴史を知っているウニヒピリは、まるで無視された状態。そうする前に、一旦「私は何も知らない」というところからクリーニングをおこなってみます(平良)。

 

P238

吉本 今は〝素直に個々の困難に向かっていくべき時代〟だと思います。

 そして〝その人を生きる〟というようなことに向かっていくことを、もう一度取り戻さないと、ほかの人も救えないし、自分も救われないと思います。