以前読んだ本、改めて大事だなと思い、再読しました。
P41
平良 ところで、ばななさんは何かムリをして道を外しそうになったことはありますか?
吉本 はい、もう毎日ですよ。だから毎日少しずつ直せるんだなって思っています。
平良 そのサインはありますか?
吉本 「あっ、なんか今日はちょっと行き過ぎた」みたいな、ほんのわずかなことなんですよね。
たとえば、気分転換に料理をする。ほんの小さいサインで、「あっ、これは限界を超えたな」って思うんです。「ここまでやったんだから揚げ物も作っちゃおうかな」と思ったときに、「ちょっと待てよ。これ、自分のキャパシティを超えている。きっと疲れちゃうし、おいしく作れない!」と感じたときの「微調整」をとても大切にしています。
微調整ばかりしているから、小さい人生になっているのかもしれないなとも思うのですが。
でも結局は、微調整がいちばん大事かなって思います。
P72
平良 いつのまにか自分で自分につけた常識や思いのクセが、どれだけ日々の生活を不自由にさせているか、自分と他者との関わり方を意識して見ていくと呆然としてしまいます。
吉本 とりあえず合わせたほうがだいたいラクですからね。
平良 でも、それをし続けていると、必ずまた不自由さが目の前に現れます。
吉本 そうですね。「自分のどこに嘘をついたか」によって、出てくる形は違う気はします。結局「どんな生き方を選ぶか」だと思うんです。
・・・
平良 もっと自分を輝かせるためにこうしたい、こう見せたいといった頭で決めつけたルールのようなものが、ホ・オポノポノを実践していくと、どんどん外れていくと思うのです。
だから、クリーニングしていくと、いわゆる「イケてる」状態ではなくなる人もいるかもしれません(笑)。人目を気にせず好きな色の服を着てみたり。
吉本 たとえば、好きな色が地味だったりすることもありますしね。クリーニングってカラーコンサルティングのようなことの真逆の行動かもしれません。
・・・
でも、それがほんとうの自分だったら、そのほうが居心地がいいですよね。自分の内側が外に見えやすくなるので、新しい仲間にも出会えるかもしれない。
・・・
一つのカラーに自分を押し込める必要もないと思います。
クリーニングしたことによって華やかになったり、お金持ちになったり、そういうことだけではないから。そういうとらえ方をしちゃうと、みんなが苦しくなっちゃうし、よいカルマを生まないですよね。
平良 KRさんはとにかく「カルマを徹底的に減らす」ということをおっしゃいます。自分に余計なしがらみを足さず、自分の中をおそうじしていくことだと。
・・・
吉本 とてもわかります。結局そこに尽きると思いますね。「違うこと」をしないこと。
・・・
平良 ムリしていないか、「違うこと」をしていないか。それはとてもわかりやすい自分センサーですね。
ほかに「カルマを生まない」とは、どんなことがありますか?
吉本 余計なときに余計なことをしないということですよね。
たとえばお腹が減ってないのに食べようとか、そういうことを一切しないことです。インスピレーションを大切にしていると余計なことはしないから、カルマも生まれないと思います。
それも人生のひとつの法則と言っても過言ではないんじゃないでしょうか。
P102
平良 「憧れ」「夢を持っている」。そういうことも意外と心の平和を乱す要因だと思います。ホ・オポノポノを通して、それに気づくようになりました。
吉本 一般的にいいこと、って言われることですよね。
・・・
平良 ホ・オポノポノを実践していくと、それらも記憶だとよくわかるんです。
・・・
たとえば、ばななさんとはじめてお会いしたときに、もう嬉しくてたまらなかったんです。小さいころから大好きで、作品を読み続けてきた、世界的な小説家さんと実際に会えるという、その異常なほどのワクワクもヒューレン博士からクリーニングしなさいと言われました。
「人に対する憧れ」に限らず、「憧れている仕事」「憧れている生き方」も同じです。クリーニングすればするほど、何かが失われるというよりも、もっと枠が伸びて、外れて、自分が意識していたところとは少し違うけれど、自分にぴったりのものと出会える確率が高くなる。
・・・
・・・遠くのどこかを探したり、目指すものではなく、「おっと、いつのまにか起きていた」「ああ、こんな感じなのか」って。
吉本 わかります
平良 ヒューレン博士は「そういう『憧れているもの』を持っていたら、それはクリーニング事項であって、別にそれがあなたの人生のコンパスではないんだよ」とおっしゃっています。
憧れや夢が現れたら、まずはクリーニングをはじめる。そこに焦点を合わせると、理解を超えるいいことが、ほんとうに増えたんです。・・・
・・・
自然でムリなく広がっていくように枠が外れていく。
考えてみると、「憧れ」というものが、自分を小さく閉じ込めてしまうパターンは、意外と多いのかもしれないですね。