宇宙の流れとシンクロする

「違うこと」をしないこと (角川文庫)

 いつも、忘れないようにしたいです。

 

P73

吉本 ・・・たとえいい状態でも、そこに固定されたくない、変化してほしいという気持ちを常に持っているので、流れに対して自然でいたい。温泉もずっと入っていたら、つらくなるじゃないですか。それと同じだと思うんですよ。「流れがある」「変化する」ということが、やっぱり自然とか宇宙の摂理なんだと思う。それにあんまり逆らうのも違うし、全部を任せちゃうというのも違うだろうし。人それぞれ、今は動く時期、今はじっとしてる時期というのがあると思うので、そういうのを自分でわかっていれば、少なくとも一律にはならない方向に近づけてはいけると思うんですよね。たとえば今、私はすごく動きたいし、動いていい時期だとしたら、旅行したり仕事しても大丈夫だけど、じっとしてるべき時期にすごく動くことをしちゃうと、やっぱり、少しずつズレていっちゃうじゃないですか。・・・

 

プリミ 宇宙の流れと自分がシンクロしているのを実感する。それを実感し続けられれば、宇宙からのギフトは届き続けますからね。

 

吉本 お饅頭欲しいなと思う時に、ちゃんとお饅頭来るようになりましたもん(笑)。小さなことだけど、確実に欲しいものが来るようになると、それが流れにちゃんと乗ってるかどうかをわからせてくれるサインになる。逆に、見逃してる人は、どこで見逃してるかがすごくよく見えるようになってくるから。

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「なんで私って、いつもタイミング悪いのかな」って言う人、いるでしょ。・・・そういう人に「あの時、食べたくないのにカレー食べたでしょ」って言うと「え、そんなこと?」とか言われる。けど、そんなことだったりするんですよ。「食べたくないけど、あとの五人はみんなカレーか。悪いかな、一人だけ、オムライス頼んだら」みたいなことが、その人をズラしたりしているんです、意外にね。

 

プリミ 気をつかって自分の意に沿わない設定をしちゃってるんですよね。その何気ないブレで全体の流れを澱ませる設定がされてしまっている。

 

吉本 うん。「そうか。あの時こうしたことが、ここに繋がってるんだ」っていうのがすごく見えるようになるので。直感って急にとんでもないことを言ってきたりするけど、それを無視しないで、実行してみるというのも大事なことかも。

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 たとえば会議中に「いきなり立ち上がってみたら?」「そしてまた座ってみたら?」とか直感が来たら、たとえ頭おかしいと思われてもちょっとやってみると、意外と休暇がもらえたり周りもストレッチして場が良くなったりして(笑)。その休暇で行った先で友達ができちゃったり、転職したりとか、わかんないですよ、その先どう転がるか。直感はよい連鎖を生みます。ただ、その直感って、みんなが思ってるよりズバーンと来るわけじゃなくて、もっとフッと来るから。「柿買いに来たのに、なんでミカン買っちゃったんだろう」みたいなことなんですよね、意外に。「でも直感にミカンって言われたんだよ」みたいな。その直感がなんだったのかは、「次に会った人がすごくミカン好きだった」みたいな証拠が出てくるからわかりやすい。・・・間違ってる時は、ちゃんと間違ってるって、自分の気持ちと自分がうまくいかなくなってくるから、それもわかりますよ、ちゃんと。

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プリミ 自分の設定が本当に自分の人生をつくる。現実が滞って進まないと思っている人のほとんどは、過去の何かに縛られていたり、未来を心配し過ぎたりして、今にいないことで起きていますよね。過去も未来も・・・川の流れのように、「今」から見ることができます。今に居ながら見る過去と未来は、今を手離していませんから、今そのものです。・・・それが自覚できたなら、目の前の現実に、未来や過去の書き換えのサインやタイミングが、フッとあらわれることに、気がつくようになっていきます。

 

吉本 「食べたくないのにカレーを食べた過去」があるから、タイミングがズレている今があるわけでね。「あの時も、あの時も、私、我慢していたわ」みたいなことが、未来の中に入ってきちゃう。・・・設定するのに変な遠慮はいらないし、心からでないと。こっちの方が得だとか思ったりもしない方がいいですよね、きっとね。

 

プリミ 設定に〝よこしま〟が入ってしまいますよね。自覚がないと、気持ち、感情、思考、行動すべて思ったことが自動設定されてしまうから。・・・

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吉本 現実もまた人の心がつくったものだから、必ず突破口があるはずなんですよ。何がきっかけか、なにがその人にとっての重要なターニングポイントだったかっていうのも、その人にしかわからないので、それこそカレーかもしれないし。「そんなこと言っても、会社の社食にはカレーしかないし」とか「コンビニも一軒しかない」とか言う人が必ずいますけど、絶対そんなことない。設定さえちゃんとなされていれば、人それぞれ違うけど、何か楽しい解決法が必ずあるはずなんです。・・・会社辞めなきゃいけないとか、とんでもないことが起きるかもしれないけど、それも含めて「ああ、私にとって突破口なんだな」ってことがあるような気がします。

 

プリミ まずは設定しちゃって現実がどういう感じで動くのかを観察すればいいってことです。

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吉本 自分の直感は「これは楽しい仕事じゃないんだろうな」って、うっすらわかってたのに、行ったことないところだからとか、行けばあの人が喜ぶだろうとか、変な欲や頭だけの考えが出る。そういうのって、すごく敏感に体にも出るんだなって。

 

プリミ 自信のない時ほど欲が働くかもしれないですよね。設定というのは、本当に瞬間瞬間にリニューアルしていけるもの。愛はエネルギーそのもので、とどまることなく、「今」だけに、常に流れているから。それさえ忘れなければ、決して流れが澱むことなく、常にフレッシュな状態でいられるんだと思います。