かんちがいとか

嘘みたいな本当の話みどり 日本版ナショナル・ストーリー・プロジェクト (MATOGROSSO)

 笑えるエピソード、いくつか。

 

P43 十七時にはあがります

「そうだ、今日は自分の誕生日だった」と、二児の父親でもある友人が、近くのケーキ屋に電話をかけた。

 店員が電話口に出る。

「今日、何時までですかね?」

 女の子は一、二秒沈黙して、

「……えっ、あたしですか?」

 と言った。

 

P44 子どものお使い

 グラウンド中からかき集めた落ち葉の山を見て、先生は「よし、一輪車を持ってきてくれ」と言った。

 僕たち三人は体育倉庫に走り、一輪車(乗るほうの)にまたがって、落ち葉の山と先生をめがけて競い合うように疾走した。

 遠目からでも先生が腹を抱えて笑っているのが見えたが、当時の僕はとにかく一着で先生のところにたどり着こうとそればかり考えていた。

 

P46 おべんと持ってどこいくの

 気づいたのは、会社の前でカードキーを探そうとしたときだった。

 探すべき鞄がない。

 私は弁当とコーヒーを入れた袋だけ持って出社していた。

 

P49 漢字テスト

 小学生の頃、学校の漢字書き取りテストで「かいたくち」という問題が出た。

 変な設問やなぁと首を捻りながら、「描いた口」と書いて提出した。

 間違いではないと思うが、〇はつけてもらえなかった。