神田橋先生の経絡ツボ療法

神田橋條治が教える 心身養生のための経絡・ツボ療法

 達人技すぎて、きっと鍼灸や整体のプロの方なら参考にできるのかも・・・という内容に感じられましたが、素人でも試せるものもありました。

 こちらは「指いい子」という健康法です。

(本には文章だけでなく、写真と、やり方がわかる動画サイトへのリンクもありました)

 

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 片手の五本の指で他方の手の指先を包むように触れます。つかむのではありません。触れている側の手首を回転させて、五本の指が相手側の指先を撫でるように回します。相手の指自体をねじるのではありません。それぞれの指先にキャップが被っていてそれを回すイメージです。

 撫でる側の手も肘から先の力を抜き、「いい子、いい子」と、心で呟きながら回すと、優しい雰囲気になりますし、やっている自分も優しい気分になります。

 優しい気分になると、感覚が細やかになり、回しているときの滑らかさや抵抗を感じ取れるようになります。滑らかに回るなら、されている側の指から発せられている経絡のビームが邪気を帯びており、施術を求めているのです。行っている指や腕の力を抜けば抜くほど感覚が細やかになり、される側の指からのサインを感じ取りやすくなります。

 抵抗が感じられるなら、されるほうの指が「生気」を出しており、「もう干渉しないで」とサインを送っているのですから中止です。ですから、滑らかだったのに「抵抗」が出てきたら終了のタイミングです。熟練すると抵抗が出たとき、こちらに「しかめっ面」反応を伴います。感覚がシャープになっているのです。

 回す方向は二種です。ネジ釘を抜き取る回転(ビンのフタを開ける回転)が「瀉」で、ネジ釘を押し込む回転(ビンのフタを閉める回転)が「補」です。どちらかの動きが「軽やか・滑らか」であるなら、対象の生体(指)がそれを求めているのだから、求められている「瀉」または「補」の動作を続けます。両方の回転ともに抵抗が生じたら終了です。

 初心者は、日常に自分の両手の指で練習すると、練習であると同時に自分の健康法にもなります。足の指にもしてみることをお勧めします。その場合、左足指は右手で、右足指は左手で行ってください。