誰にもその才能は眠っている

直観を磨く 深く考える七つの技法 (講談社現代新書)

「世の中の『天才』と呼ばれる人々を見るとき、『ああ、人間には、本来、誰にもあのような才能が眠っているのだ』と考えるようにしている。」というところ、印象に残りました。

 

P219

 ・・・人生を振り返るとき、・・・ある言葉を思い出す。

 ・・・ジョン・レノンの言葉とされており、我が国の映画『ガイアシンフォニー』の中でも、ある登場人物が語る、次の言葉である。

Life is what happens to you while you are making other plans.

(人生とは、あなたが計画を立てているときに起こる、それ以外の出来事のこと)

 この言葉の通り、我々の人生は、我々自身の意図的な計画を超え、しばしば、「大いなる何か」とでも呼ぶべきものの計画によって導かれている。

 

P292

 ・・・本書全体を通じて伝えたかった、最も大切なメッセージを語っておこう。

 それは、

 あなたは、自分の中に「天才」がいることに気がついているか

 そのメッセージである。

 ・・・

 ここで言う「天才」とは、「人間は、誰の中にも、想像を超えた素晴らしい才能や能力、そして可能性が眠っている」という意味である。

 しかし、それにもかかわらず、残念なことに、多くの人は、その「想像を超えた素晴らしい才能や能力、そして可能性」を開花させることなく、その人生を終えていく。

 ・・・

 それは、我々が「自己限定」をしてしまうからである。

 ・・・「自分には、大した才能も能力も無い」と、その可能性に蓋をして、限定してしまうのである。

 ・・・

 では、どうすれば、我々は、その「自己限定」の意識を払拭することができるのか。

 ・・・

 第一は、「人間の可能性」を信じることである。

 ・・・「自分の可能性を信じる」という意味ではない。なぜなら、「自分」と「他人」を分けているかぎり、そこには必ず「比較優劣」の意識が生まれ、・・・「自己限定」の意識から免れられないからである。

 本書で述べる「人間の可能性を信じる」とは、「素晴らしい才能を開花させた人間を見るとき、その才能が、自分も含め、すべての人間の中にも眠っていることを信じる」という意味である。

 ・・・

 ・・・世の中の「天才」と呼ばれる人々を見るとき、「あれは、自分には無い凄い才能だ」と考えるのではなく、「ああ、人間には、本来、誰にもあのような才能が眠っているのだ」と考えるようにしている。

 第二は、「天才の秘密」を知ることである。

 ・・・なぜ、彼らは「自己限定」をしないのか。

 それは、「天才」と呼ばれる人々が、「自分は大いなる何かに導かれている」や「自分は大いなる何かと繋がっている」という感覚を持ち、「必要な叡智は、大いなる何かから降りてくる」という感覚を持っているからである。

 第三は、「自己対話の技法」を実践することである。

 ・・・

 ・・・まず、自分の中に「賢明なもう一人の自分」がいることを信じることであり、その「もう一人の自分」が心の奥深くから現れる技法と、その自分と対話する技法、すなわち「自己対話」の技法を、日々、実践することである。

 ・・・

 あなたの中には、想像を超えた素晴らしい何かが、眠っている。