稚心を去る

稚心を去る

 栗山監督の話が出て、この本もメモしてあったのを思い出しました。栗山監督が考えたこと、興味深かったです。

 

P54

 2019年もチームを任せていただけることになった。・・・

 今シーズン、勝ち切るためには、もう一度、チームを壊さなければいけないと思っている。投手も、野手も、すべてだ。

 壊すことにはもちろんリスクも伴うが、トータル的に考えれば、一回壊してしまったほうが組み立てやすい。それは、歴史が証明している。世の中の歴史の変わり目を見てもわかるように、本当に新しいものを作ろうとするには、いったん壊さないと始まらない。その覚悟を持てるかどうかがすべてだ。

 これまで作ってきた形を活かして、それを何とかつなげていこうとすると、どうしても発想が狭くなってしまう。だから、発想をゼロベースに戻して、打てる手はすべて打っていく。

 

P163

 ・・・コーチは選手に「教える」べきか否か、・・・

 広岡達朗さんは、「教えるべきだ」と言う。

 落合博満さんは、「教えるのではなく、一緒に見つけることだ」と言っている。

 これは、どちらの考え方にも賛同できる。

 広岡さんは、球史に残る名ショートだ。守りは、たしかに教わるとうまくなる。本当にうまい人に教わりながら、徹底的に数をこなしていくと成果が現れるケースが多い。考えてみると、9割8分は成功するのが守備。ということは、論理的に正しい形があると考えたほうが筋は通りやすい。

 一方、打つほうは、教わるとかえって打てなくなることがある。打ち方が理にかなったものに近づいたことで、無駄な間がなくなって、タイミングがずれたりする。だから落合さんは、「正しいことを教えるんじゃなくて、一緒に見つけることだ」と言っている。さすがだな、と思う。

 確率で言えば、守備と違って4割打てるバッターはまずいない。ほぼ確実に6割以上は失敗するということだ。ということは、絶対的に正しい論理など存在しないのではないか、そう考えたくなってしまう。

 

 ところで、明日から数日ブログをお休みします。

 また週明けには再開予定です。

 いつも見てくださって、ありがとうございます(*^-^*)