これだけ無心で直感を受け取れることがすばらしい・・・そうありたいなぁと思います。
P65(加藤一二三の思考法)
羽生善治九段は「直感の七割は正しい」と本にも書いている。
大山先生は「八五パーセント」と言っていた。
言い過ぎと思われるかもしれないが、そんなことはない。
私は「直感の九五パーセントは正しい」と考えている。
P68
直観で浮かんだ手をすぐには指さず、本当にこれでいいのかと考えているうちに他の手が思い浮かんでくることはある。その場合、あとから考えついた手を選ぶ人も少なくないはずだ。しかし、負けた原因がそこに見つかることが多い。
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多くの人は、冷静になってあとから考えた手のほうがいい結果につながりやすいと考えがちだ。だがそれは〝罠〟だといえる。
あとから考えた手は、先走ったものではなく、慎重な読みにもとづいたものであり、理論上もおかしなところがないと考えられやすい。確かにそういう側面はあるはずだが、現実はそうとは限らない。
自分では計算式を解くときと同じように冷静な思考回路に慣れているつもりでも、実際は私情が入りこんでいる。どこかの部分においては自分にとって都合のいいように読んでいる傾向があるのだ。
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直感のいいところは、勝手な思い込みなどが入り込んではおらず、「無心」であることだ。偏りのない純粋な着眼である。
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〝直感で手が浮かんだあとにも、それでいいのかと考えてみる必要はあるが、直感のまま指すほうが正解になることが多い〟
これは私の勝負哲学の一つである。